週刊新潮に当ブログの「DQNネーム」の記事が参照されていた

っぽい。


ネットニュースサイトに週刊新潮2015年1月22日号掲載のキラキラネーム批判記事が転載されている。

子供に十字架を背負わせる「キラキラネーム」命名辞典|矢来町ぐるり
http://www.gruri.jp/article/2015/01220830/
子供に十字架を背負わせる「キラキラネーム」命名辞典〈週刊新潮〉 (BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり) - Yahoo!ニュース
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150122-00010001-shincho-soci

ノンフィクション・ライター、白石新という方の署名記事だ。内容は、最近の子どもの名前がヤバイぞ、親の身勝手が酷すぎるぞ、将来困るぞというテンプレ記事だ。

1シーズンに1回は必ず記事になる内容なので珍しくもないのだが、記事内で例示されている名前に関して、

笑々寿、朱隆、未桃、巴愛灯、師類羽――。(略)読み方の見当がまったくつかないこれらの漢字は、すべて実在する

と、断言しておきながら、次の文章で、

順に「え一す」「しゅうる」「みんと」「はあと」「しるば」と読むのだという

「読むのだという」と相反する書き方をしている。「実在する名前」と断言するのなら、読みに関しても「と読む」と断言できるはずなのに、「読むのだという」と書いている。どうやら又聞きしただけで自分で確認したわけでもないらしい。記者ならば自分で確認した上で本人か親に取材するくらいすればいいのに。


で、この記事には付表として「キラキラネーム110選」というものがついている。110選となっているがどのように選ばれた名前なのか特に記事で説明されていない。一覧を見ると、「光宙(ぴかちゅう)」や「黄熊(ぷう)」といったネットでの有名ドコロが選ばれている一方で、「泡姫(あき)」や「火星(まあず)」といったネットのトレンドとは離れたものも選ばれている。「泡姫」は「ありえる」と読み、「まあず」は「金星」と書く名前が、ネットでは主流である。どうして読みや漢字が代わったものを選んだのか。
さらに、この一覧表を見ていると、果たして「光宙(ぴかちゅう)」や「黄熊(ぷう)」と同じ括りでいいのかという名前も掲載されている。そして自分にはこれら3つの名前が気になった。
「飛海(ひの)」「眞慧(まさと)」「羚凪(れいな)」
キラキラネーム110選として載っていた名前であるが、この3つにはある共通点がある。考えてみてほしい。批判記事に掲載される名前でない、という感想を持つ人は多いと思う。この3つの名前の共通点とは何なのか。
それは過去にこのブログで取り上げたことのある名前であるということだ。その記事はこちら。

DQNネーム」が最近多い理由 今時の親の名前のつけ方 @NHK - rabbitbeatの日記
http://d.hatena.ne.jp/rabbitbeat/20101027/1288189748

この冒頭で、3つの名前を取り上げている。

名前です。なんて読むか分かりますか。正解はマウスで()内反転させてみてください。


飛海(ひの) 男の子の名前
眞慧(まさと) 男の子の名前
羚凪(れいな) 女の子の名前

この記事は、NHKの番組の書き起こし記事なので、正確には自分のブログで取り上げたというより、NHKの番組で取り上げられた、という話なのであるが、5年も前の番組で、NHKにホームページも残っておらず、オンデマンド放送もされていないので、番組冒頭のさわり部分で取り上げられた名前の情報なぞは、この書き起こし記事にしか残っていないのだ。
この3つの名前すべてが週刊新潮の記事に出てきてびっくらこいたという話。あのNHK番組書き起こし記事はこの泡沫ブログでも結構恒常的にアクセスがある記事で、「DQNネーム」などの検索結果でも結構上位に来てたりするみたいなのだ。ライターの白石新さんもあれを読んで参照してくれたのだと思う。


さて、その参照された3つの名前、ただ「読みにくい」というだけで、漢字に関しても読みに関してもキラキラネーム批判記事でやり玉にあげられる名前ではない。
あとね、元の記事でも書いているけど、「眞慧(まさと)」のどこが今どきのキラキラネームですかと。「眞」は「真」の旧字体と見ればわかるし「ま」と読むのも誰でも分かる。「慧」は「智慧」の「え」と読んだり、音読みでは「けい」ではあるが、「さと」という名乗り読みがあることは有名。NHKは「読みにくい」名前として取り上げていただけだけど、週刊新潮の白石新記者のようにキラキラネームの1つとして取り上げるのは不適当すぎると思いますよ。参照してくれるのはいいが、もっとしっかり読み込んでほしいところではある。というか、「キラキラネーム110選」というあの表は、ネットで「DQNネーム」で検索して出てきたサイトから適当に抜き出して作られた、全く「選」でも何てもないクソまとめなのね。


当ブログでは、ネットで話題となっている「キラキラネーム」についての非実在の疑いについても今までに何度か書いているので、せっかくこのブログにたどり着いてくれたのならそれも参照してくれれば良かったのに。まあ他人の名前を批判する記事なんてものは、非実在のものでないと書けないのかもしれないけれど。