伊東ひとみ著『キラキラネームの大研究』

伊東ひとみ著『キラキラネームの大研究』という書籍が5月に発売されたとのことで、週刊誌が広告がてらに書評記事を連発している。本日発売の週刊現代は著者の伊藤ひとみさんにインタビューをとっているようだ。

この『キラキラネームの大研究』という新書。読んではいないが出版社の前書きプレビューAmazonで目次を見たら、ほぼ5年前のNHKの番組内容に沿った内容だった。その番組内容は、このブログで書き起こしてある。

DQNネーム」が最近多い理由 今時の親の名前のつけ方 @NHK
http://d.hatena.ne.jp/rabbitbeat/20101027/1288189748

少なくとも書籍の内容紹介にある「それは漢字を取り入れた瞬間に背負った宿命の落とし穴、本居宣長も頭を悩ませていた問題だったのだ。」という部分は上のNHK番組書き起こしを読めばいい。


また、『キラキラネームの大研究』は新潮社からの出版だが、新潮といえば、やっぱり週刊新潮も先日、同じ5年前のNHK番組を書き起こした当ブログの記事を資料に使い記事を書いていた(ライターは異なる)。

週刊新潮に当ブログの「DQNネーム」の記事が参照されていた
http://d.hatena.ne.jp/rabbitbeat/20150122/1421939436


多くのキラキラネーム記事で上記のNHK書き起こし内容が参照されているようだが、別に資料として使われるのはいいとして、元記事ももっと広まって欲しいところ。NHKの番組もそれを書き起こした記事も別にキラキラネームを批判する内容ではなく、その前提となる日本語知識を紹介したもの。しかしそれを資料に書かれた週刊誌や新書は、キラキラネームを批判する内容ばかりになる。世間が批判を求めているからなのかもしれないが、5年前のNHKの番組はそんな風潮を吹き飛ばし、漢字の新たな読みを生み出すことに対して肯定的に捉えられるものでもあった。だからそれを広く知ってほしいとネットに書き起こした。しかし、当の記事は拡散されることはなく、週刊誌のライターなどがキラキラネーム叩き記事を書くための資料として検索されるだけの存在となった。非常に残念。
『キラキラネームの大研究』のネット書評を見ると、この書籍は、現代日本人が漢字を見た目の「感字」として捉え、本来の字義を理解していない、と問題点を指摘することでシメにしているようだが、雰囲気的にキラキラネーム批判者は保守論者だと見込むのだけど、こういう人は昨今の「障害」を本来の「障碍」に変更しようという運動にはどう思っているのだろうか。「障害」の書き方を変えようとする活動はネットでは左翼・リベラルとレッテルが貼られたりするが、「碍」を常用漢字にしようという意見に賛同してくれるだろうか。


あと『キラキラネームの大研究』の前書きには「光宙(ぴかちゅう)」についての言及があったが実在したことを確認したのだろうか?


2015年8月追記。この後、実際に『キラキラネームの大研究』読んだ感想書きました。
rabbitbeatの日記 - 『キラキラネームの大研究』を読んだ





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