キズナアイのNHK出演とアイドルのNHK出演

バーチャルユーチューバー、キズナアイNHKサイトでノーベル賞の解説番組に出演したことが話題になっている。
表現の自由」はどのように守られるべきなのか? 再びキズナアイ騒動に寄せて(千田有紀) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/sendayuki/20181004-00099263/
「オタクの性的コンテンツである女性キャラにノーベル賞の解説をさせるな」と怒っている人がいるというのだ。
誤解しやすい点を補足すると、解説をしているのは大学の先生、聞き役になっているのがモニター越しのキズナアイというのが真相である。

それでも別の観点から、「女性は理系が苦手というステレオタイプに基づいた配役にしている」とジェンダーに絡めた批判もある。
 
 
 
まず考えるのが、キズナアイは性的か、と、性的コンテンツはNHKでNGにすべきか。
 


性的かと問われれば、キズナアイは衣装の露出も少ないし下ネタに媚びているわけでもないし性的ではないと思う。ただネットのオタクファン界隈で人気になったこともあり、セクシーな二次創作の対象になっている。「性的」魅力でNHK出演にまでのし上がった。
 
ただし、それはリアルな女性芸能人と同じで、グラビアアイドルはもとより、AKBでも乃木坂でも若手女優でも、「女性」ならば皆、性的な魅力を振りまいて人気を得て仕事を獲得するものなのである。少なくともそれがテレビ芸能界の現状。
 

NHKも、多くのアイドルやグラドル、若手女優を、教育番組や科学番組に聞き役として出演させてきた。バーチャルアイドルが出てきて「性的だ」とか批判があっても今更だ。制作側はそうした魅力に釣られた視聴者が増えることを期待して彼女らを起用しているのだ。人気声優が声の出演をしているだけだ。
 

もう1つの指摘である「女性が理系が苦手というステレオタイプ〜」というのはキズナアイのせいではなく番組演出のせいではないか。スタッフから「こういう進行なので〜」と台本を渡されているだけだろう。

 
というわけでキズナアイに責任はないとは思うが、イラッとする気持ちもわかる。リアルのアイドルがNHKの真面目な番組に出るとなったら、それなりに真面目な衣装、真面目な喋り方で出る。歴代サイエンスZERO出演女性でキャピキャピした進行をした人はいない。AKBやグラドルがセクシーな衣装で出演することもないし、媚びるような声を出して話すことはない。バーチャルキャラとしてYouTubeの外に活動を進出していこうとするのなら、TPOをわきまえた衣装CGや声の演技を用意するべきではないか。

 
キャラを崩さずに出演するのなら、その人とは別に、キャラの言葉を一般に翻訳する司会進行役を用意するべきであった。キャラ付けアイドルだけで番組は進行できない。