見出しで判断される南青山住民の民度

南青山の児相建設への反対運動の問題で、プチ鹿島氏や川奈まり子氏らなどが、「反対しているのは一部の住民のみで他の多くの南青山住民は反対していない。南青山が反対しているように報道するマスコミは問題」などと啓蒙を図っている。

プチ鹿島 南青山・児童相談所開設問題を語る
https://miyearnzzlabo.com/archives/54164

がしかし、自分がぼーっとテレビを見ている限りは、この話を扱う番組すべてで「こんな反対派の意見では逆に南青山のブランドが下がって困る」という「まともな」南青山住民の意見を伝えているし、反対派よりもそちらに正当性があるかのような構成を組んで放送している。また、独自に住民アンケートをとって、賛成の割合のほうが多いとも放送していたりもする。
 
新聞という活字媒体だと賛否をフラットに扱う結果、反対意見が目立つかもしれないが、ここでもテレビと同じく反対派の「異常な」意見が活字になって悪目立ちすることで、児相建設に正当性を持たせる結果となっている。
 
マスコミ報道を受ける限りは、一部の「異常な」反対派住民の民度が「ヤバすぎる」と思うだけで、「南青山住民全体がヤバい」とは全く思わない。もちろん、こんな「ヤバい」住民が住んでいる地域として、南青山のブランドイメージは下がってしまうが、それは他の「まともな」住民の評判が下がる理由にはならないし、そんなこと思ったこともない。
 
よくあるご近所トラブル報道で迷惑住民が一人いるからといって地域全体を責める人はいない。読者視聴者は「どこにも困った住民がいるものね」と同情を寄せ親近感を抱くものだ。
 
プチ鹿島氏らは、マスコミ報道で南青山全体が異常な地域と思われてしまう、と懸念し啓蒙するが、「マスコミ報道により全体が異常な地域と思ってしまう」人たちはどこにいるのだろう。と、典型的な架空のお人形を使っての啓蒙活動とも思われるが、一方でニュースは見出ししか読まない層もいて、マスコミのネット記事の見出しにはアクセス稼ぎのため、反対派の「異常な」意見が載ることが多いため、「南青山の住民が〜と言った」という見出しがつけば、「南青山の住民全体がそういう意見だ」と勝手に思ってしまう人がいるかもしれない。また、ネットではマスコミ報道を切り取り、異常な意見だけ拡散させる個人メディアが多いため、そのゆがんだニュースの再生産により南青山住民のイメージが下がるかもしれない。
 
ただしこれはマスコミ報道のせいではなく、アクセス稼ぎに奔走し見出しをつける編集と切り取り拡散するネットユーザーの責任であり、「マスコミ報道が一部しかいない反対派の声ばかりを南青山の意見として伝えて〜」という意見は完全に間違っている。