中国に憧れる 強権政治に憧れる

昨日か一昨日の朝ズバで、東日本大震災の対応を関東大震災阪神大震災のときと比べていて、関東大震災のときの後藤新平の復興策を大いに持ち上げ、「それに比べて現政権の対応は・・・」というプレゼンを男性アナウンサーがやっていた。この手の比較は、他の番組でも震災後何度も繰り返されているが、どうなんだろう。だいたいワイドショーでは、パネル説明で後藤新平を持ち上げるだけ持ち上げて、コメンテーターに「でも今の時代には・・・」と言わせてお茶を濁すパターンが多い。この朝ズバでもそうだった。被災した土地を買いあげて広い道路を作り都市計画もすすめる手法。反対する人には時間をかけて説得することもなかったろう。何しろスピード感が褒められてるのだから。こんなの中国みたいな途上国家しかできない。そういえば四川大地震の復興策も似た様なものだった。復興終了のニュースでは、「中国では何故こんだけ素早く『復興』ができたのか」という視点でいろいろ説明してた。被災地の瓦礫処理を諦め、別の場所に町ごと引っ越す、というパターン。一応被災者の「元の故郷から離れたくないね」という話も流していたけど、中国政府のこの対応についてニュースでは否定も肯定もされていない。どっちかというと「こういうのもアリだよね」と言いたいように感じた。「でも日本じゃ無理だよね・・・」みたいな諦めも一緒に感じ取れた。
後藤新平や中国みたいに強権的に「あれやれこれやれ」と言えたらどんなに楽だろうか、と思うことが震災後に多々あったが、一方で「強権的にものごと進めたら悲しむ人損する人も出るんだろう」とも考える。震災直後、「非常事態宣言を出せ」と言う人がいろいろいたけど、法律でも憲法でも制定してそれくらいやったほうがいいんじゃないか、って思う。津波で浸水した廃棄自動車を処分するのに持ち主特定するまで待たなきゃいけないようなのは、外野から見てて非常に残念だ。一方で、自動車は動かないにしろ、もし自動車の中に大切なものをいれたままだったら、と思うと勝手に処分されたくない気持ちも分かるが、そこはぐっと抑える。
放射能が危ないから逃げて」と言っても、「避難場所強制したくないから自分で探して」というのも混乱する。「逃げて」というなら、「避難場所として民間と地方自治体から物件徴収したからそこに強制的に移住させます」くらいまで言って欲しい。でも、自分がアパートのオーナーで突然国に徴収されたら、とか、被災者で突然交通が不便な築40年くらいのおんぼろ物件をあてがわれたら、とか思ったらどうしようもない・・・ので、そこもぐっと抑える。
菅直人浜岡原発停止要請したってあくまで「お願い」で現場は突っぱねることができる。
なんだかんだで強権的にものごとを進めて欲しい、という気持ちがある。それこそがリーダーシップだと。だから小泉、石原、橋下らが人気あるんじゃないか。


朝ズバといえば、これも一昨日かその前か忘れたけど、海水注入停止の報道の中で、みのもんたが「海水注入停止しなければ事態の悪化を防ぐことができたんですか?」と、解説にきていた東大の諸葛先生に聞いたところ、諸葛先生は「いや水素爆発が起こったあとですし、メルトダウンも既に起きていたでしょうから、55分間の停止したどころで影響は変わらなかったと思います」と回答。
別のワイドショーの解説者は(番組名すら失念したが)、海水注入停止の報道で、アナからの質問受けて「停止しなかったらここまで被害大きくなることもなかったと思います」と回答。
結果的に海水注入は停止されてないわけだけど、「停止しなかったら被害大きくならなかった」とか言ってた解説の先生ってなんなんだろう。東大の諸葛先生は、震災直後から事態が悪化した後も継続的に朝ズバに出ていて、「御用学者」批判は気にならないのだろうか、よっぽど面の皮が厚いのかな、とか思っていたけど、海水注入停止のコメントで少し見直すことになった。