M1感想 パンクブーブーに怒り

優勝は笑い飯


最終決戦に進んだ三組は、順当だった。パンクブーブー笑い飯スリムクラブ。他の5組に比べてどれも文句なし。
パンクブーブーのしゃべくりと勢いには圧倒され、笑い飯の小銭の神様の発想にもやられた。スリムクラブの戦場カメラマンを思わせるスローテンポの漫才と長い沈黙を使って客席の緊張感からくる笑いの手法も新しかった。


しかし3組とも1回目の勢いが続かなかったのが残念なM1だった。3組とも2回目のネタが1回目の焼き直しでしかなかったのだ。むしろ同じネタで1回目の勢いに乗ろうとした作戦だったのかもしれないが。


一番酷かったのがパンクブーブー。一回目と全く変わらない妄想ネタ。メタ的に被せてひねりを効かせてくるかな、と思ったら、全く同じオチで終了。これじゃ笑えない。スリムクラブも1回目との差が判別しにくかった。1回目は、「この人何するの?」という緊張感が笑いに変わったが、2回目は見慣れたせいか、ただの頭のオカシな人にしか見えない面もあり、逆に不快感すらもよおした。最後の政治ネタのひねりに「おっ?」と思ったが、総合的に残念な出来だった。笑い飯も1回目と同じパターンの架空の存在の設定ネタ。2回目の質は1回目より確実に低かった。しかし、終盤にかけてネタを畳み掛け笑いのボルテージを上げてくるのは流石。パンク、スリムクラブにガッカリしたぶん、笑い飯の優勝は順当である。


しかしパンクブーブーの2回目は本当に酷い。笑い飯を優勝させるためにワザとあのネタにした、という片八百疑惑が囁かれているが、それもつい信じてしまうくらい酷い。優勝する気なかったとしか思えない。最後の投票も1票も入らなかったし、審査員評も渡辺正行が申し訳なさそうに一言言っただけ。パンクは少なくとも、何故あのネタを2回目に選んだか、ということを視聴者が納得できるように説明できなければ、スリムクラブにも優勝した笑い飯にも失礼だ。