はやぶさの小惑星探査の目的に違和感

小惑星イトカワ」の探査に行っていた探査機「はやぶさ」が7年ぶりに帰還する。数々のトラブルを乗り越えてきたというドラマ性もあり、非常に注目されている。
メディア報道も、「はやぶさ」とスタッフが如何に困難を乗り越えてきたか、を重視して伝えていて、「太陽系や地球誕生の謎を探る」という目的はサラッと流されることが多い。
はやぶさ」のドラマには感動するのだが、この「地球誕生の謎を探る」という話が出ると急激に興奮が冷めてしまう。
結局は「で、それが何の役に立つの?」って疑問が湧いて出てくるのだ。地球誕生の謎が解明されることが、自分の生活にどのように関わってくるか全く想像できない。謎が解明されたら、劇的に生活が向上したりするのだろうか。
こういうことが説明されないなら、メディアで「地球誕生の謎を探る」なんて垂れ流さないほうがいい。こういう上辺だけの目的では、事業仕分けで「それが何の役に立つんですか?」「地球誕生の謎を解明すると日本はどんな利益を得られるのですか」とバッサリ切られるだけだ。今の世の中、余裕がない人が多いんだから。
「地球誕生の謎を探る」という正規の目的よりも、ホリエモンが前に書いていた小惑星探査の意義のほうが、納得できるし、一般に理解されやすいのではないだろうか。
小惑星探査機はやぶさ帰還できるか?|堀江貴文オフィシャルブログ「六本木で働いていた元社長のアメブロ」by Ameba
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry2-10392411168.html

これの意義は非常に大きい。なぜなら、小惑星の探査というのはその後の有人宇宙計画において非常に大きな意味を持っているからだ。アメリカ主導の宇宙計画においては未だに月や火星への着陸・有人探査が主要命題となっているようだが、月や火星はその探査にかかる労力を考えると得るものはあまり多くない。


なぜなら、重力が非常に大きいからだ。しかも資源も十分に得られない可能性が大きい。地球外への植民にあると非常に便利なものが水である。もちろん飲用にも使えるし食料の生産にも使える。なにより推進剤の原料もなるし、人類の生存に欠かせない酸素も作ることができる。しかし月には十分な水が存在しているか怪しい。存在していたとしても、抽出して大規模な植民を行えるかどうかは未知数だ。


しかし、小惑星は小さいものであれば重力も小さいし、穴を5mも掘れば放射線は完全に防御できる。小規模隕石の衝突のリスクも回避可能である(軌道を若干変えることも可能だろう)。離脱に重力はかかりにくいし、資源も太陽から遠い小惑星帯の外側の影側は水が氷の形で存在している可能性は非常に大きいのだ。


用はそういう探査の礎になる計画なのだ。