外交官の不毛感

橋下徹日本維新の会代表のツイート。



日本の過去の戦争について総括しようっていう内容みたい。



冒頭掲載したツイートを見て、先日のNHKの番組での田中均氏の発言を思い出した。
2012/9/23放送されたNHKスペシャル「対立を克服できるか〜領土で揺れる日中・日韓〜」という日本・中国・韓国の有識者を集めた討論番組。その日本側の有識者の1人として元外交官でアジア大洋州局長だった田中均氏が出演していた。
韓国人識者との討論の場面、従軍慰安婦問題の話題のとき。
田中均氏はいう。「法的な問題は日韓基本条約で終わっている。それでも日本は河野談話を出し、道義的責任をどう果たすか考え、国民全般から広く寄付を募り、国民の寄付を含めた償い金を、橋本龍太郎首相の謝罪の手紙とともに払い、それとは別に元慰安婦の方々の医療費などために、政府の予算措置で20億円支払っている。日本は誠意を尽くしてきたのに、それを一顧だにしない韓国の態度は何故だろう。という気がします。」
このあと櫻井よしこ氏が、従軍慰安婦について強制性がなかったという論を話しだし、韓国人識者が「いつも日本側は河野談話村山談話の後、次々に日本側は暴言が出たり、覆す発言が出る。日本側の本心がどこにあるか疑わしいということになる」と発言。
それに対し田中均氏が、「それはおかしい。暴言云々と言われるが、色んな人が色んな歴史認識を持っている。ただ、日本国の総理大臣は、談話もそうだし、1998年に小渕さんと金大中さんが署名している。一国の首脳の間で交わされた文書がある。それを何か発言があると日本が、というのはおかしい」と強い口調で言っていた。


田中氏の発言や口調から、外交の大変さをさとった。法律や条約の隙間をかいくぐりながらどうやって相手に誠意を尽くすか一生懸命考えて、談話を出したり償い金という形で賠償したり謝罪したりしてきたのに、一向に相手につうじていないという不毛感。国として談話・謝罪・賠償を何度していても、「日本国民の中にまだまだ強制性はなかったと言っているものがいる、日本はどうなっている!」と指摘してくる。ドイツみたいにナチスヒトラーに親和的な発言したら逮捕される社会にしろと望んでいるのだろうか。それこそ内政干渉だ。