大島渚監督が在特会映画を撮ったら

TBSの夕方のニュースで、在特会の新大久保のデモを報じていた。「朝鮮人を殺せ殺せ」と叫ぶやつ。夕食時の家族が見るにはキツイ内容だったが、参加していた人たちを見ると、(中心にいた女性以外は)意外と普通の青年たちに見えた。


同日。NHKクローズアップ現代大島渚監督の追悼特集が組まれていた。左翼の映画監督と思われがちだが、左翼から極右まで人間の魅力を撮影してきた映画監督であったとゲストによって紹介されていた。


大島渚が現代で現役映画監督であったなら、新大久保のデモに参加するような若者を描いた映画を撮ってたのかなと勝手に想像した。大島渚監督なら、ギャラリーに眉をひそめられ、ネットで茶化されるヘイトスピーチデモに参加する青年の生き様を、その苦悩とともに美しく撮影することができたのかな。こういうデモについてドキュメンタリー映画はあるみたいだけど、フィクション映画はまだ聞いと事ない。大島渚監督であったならリアルタイムでデモ参加者の殺気を映しとることができたのではなかろうか。現代では226事件のドキュメンタリーが好まれてよくテレビで放送されるけど、数十年後には最近のああいうデモをテーマにして映画化だったり歴史番組化されたりするんだろう。どのように描かれるのか。どう描かれるにしろその場の空気感にはかなわない。