「純と愛」化した「あまちゃん」はもはやオススメできない

Q.NHKの朝ドラに関するクイズです。以下のヒントから何の作品のヒロインか当ててください。


・口汚い
・キレやすい
・社会性のない
・ナレーションで主人公の心の声を解説
・自己中かつわがままかつ他人への敬意もない
・家族の行動がぶっとんでる




正解は「あまちゃん」のヒロイン天野アキちゃんでした。「純と愛」の純と思った人いたでしょ。うん、純でも正解だけど、上の項目は「あまちゃん」のアキにも全部当てはまるのだ。最近の「あまちゃん」は「純と愛」化していると自分の中でもっぱら評判。それだけ最近の「あまちゃん」と「純と愛」には共通点がある。ヒロイン以外にも、


・登場人物みんな怒鳴ったり叫んだりうるさい
・決まったセリフだけで話が進行(おじい、ちょちょちょ、じぇじぇ、かっけー)


などの共通点が目に付く。前作「純と愛」はネット上では評判悪かった。ヒロインがうざいだの自己中だのと叩かれまくっていた。対して「あまちゃん」は今のところ批判意見が目立つことはないが、掲示板の感想を読むと明らかに批判意見が序盤とくらべて増加していることが分かる。


あまちゃん」の序盤は朝ドラとして最高だった。都会の生活に疲れて母の田舎に帰郷し初めて会う祖母や年上の海女たちに囲まれて自分を取り戻していく少女。ここで終われば心暖まる感動的な名作ドラマになっていた。主人公アキの一夏の成長の物語で終わったらどんなによかったことか。


しかしそれは半年間放送される朝ドラには不可能だった。まだ全体の四分の一も話は進んでいない。「あまちゃん」では主人公のその後も描かれる。田舎で自分を取り戻した主人公アキ、これがひどかった。高2とも思えない幼稚で自己中な態度。そこには「純と愛」の純がいた。


最初から宮藤官九郎脚本でオーソドックスな朝ドラが見れると思う方がおかしかったのだ。1ヶ月間でも朝ドラらしいドラマを見れたほうが奇跡だったんだ。それこそ遊川以上に朝ドラぶっ壊す気まんまんなのが目に見えてたじゃん。身内ネタや本筋とは関係ないギャグをとにかくこれでもかと大量に入れてくるだろうってわかってたじゃん。結果、ほとんど登場人物全員がボケ・ツッコミ両方やりっぱなしで、本筋はそのおまけ状態。キャラもはっきりしなくなってしまった。


といってもだ。朝ドラの脚本が半年という長いスパンに耐え切れなくなり、途中で崩壊するのは「あまちゃん」だけのことじゃない。たいていどの朝ドラも序盤は評判よく、中盤以降で必ず失速するのだ。かの名作「カーネーション」だって例外じゃない。それが「あまちゃん」では早すぎたというだけのこと。だからどれだけ「あまちゃん」が途中で「純と愛」化したとしても、それが普通の朝ドラなのだ。


と考えると、前作「純と愛」はやっぱり特殊で最初から評判悪かった。ヒロインの態度や性格とともに、大きな理由として「ホテルの社長になる」という主人公の目的が視聴者には分けがわからなかったからだ。その点、「あまちゃん」の序盤は「海女さんになる」という目的がはっきりしていたから安心して見れた。序盤の人気を固めていれば、途中で失速しても序盤人気の貯金で食べていける。「純と愛」には貯金がなかった。「純と愛」も最初の1、2週は、大阪から母方の田舎に帰郷した純と沖縄のおじいとの思い出を語る少女時代編を放送していれば、「過去最悪」とも言われずに凡作くらいにはなってただろうに。