かつてアジア女性基金従軍慰安婦の被害者たちへの償い事業に取り組んでいた方へのインタビュー記事。


日本が誇るべきこと、省みること、そして内外に伝えるべきこと(江川 紹子) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130525-00025178/


日本の旧植民地住民への償いが、韓国で評価されていないことへの苦言が書かれている。共感できる内容。そして、少し前に同じ事を元外交官の田中均氏もテレビで韓国人学者相手に言っていた。


 2012/9/23放送されたNHKスペシャル「対立を克服できるか〜領土で揺れる日中・日韓〜」という日本・中国・韓国の有識者を集めた討論番組。その日本側の有識者の1人として元外交官でアジア大洋州局長だった田中均氏が出演していた。


 韓国人識者との討論の場面、従軍慰安婦問題の話題のとき。


 田中均氏はいう。「法的な問題は日韓基本条約で終わっている。それでも日本は河野談話を出し、道義的責任をどう果たすか考え、国民全般から広く寄付を募り、国民の寄付を含めた償い金を、橋本龍太郎首相の謝罪の手紙とともに払い、それとは別に元慰安婦の方々の医療費などために、政府の予算措置で20億円支払っている。日本は誠意を尽くしてきたのに、それを一顧だにしない韓国の態度は何故だろう。という気がします。」


 このあと櫻井よしこ氏が、従軍慰安婦について強制性がなかったという論を話しだし、韓国人識者が「いつも日本側は河野談話村山談話の後、次々に日本側は暴言が出たり、覆す発言が出る。日本側の本心がどこにあるか疑わしいということになる」と発言。


 それに対し田中均氏が、「それはおかしい。暴言云々と言われるが、色んな人が色んな歴史認識を持っている。ただ、日本国の総理大臣は、談話もそうだし、1998年に小渕さんと金大中さんが署名している。一国の首脳の間で交わされた文書がある。それを何か発言があると日本が、というのはおかしい」と強い口調で言っていた。


外交官の不毛感 - rabbitbeatの日記
http://d.hatena.ne.jp/rabbitbeat/20120929/1348889799


 田中均氏は外交官として、河野談話村山談話が発表される現場に立ち会ってきた。戦争被害者への償いのために関係者は必死になって知恵を絞って、談話だったり補償金への道筋がつけられてきた。そうした努力は無視されたまま、慰安婦問題での韓国側の糾弾がある。ように見える。韓国側は「日本側が暴言をー」と言うけれども、そんな一議員や一地方首長の発言よりも総理大臣談話のほうが重いのは当たり前。談話に書かれた「償いの気持ち」は、日本の意見として着実に引き継がれている。そのことを目の前の韓国人識者たちが考慮せずに発言していることへの苛立ちが感じられ、番組を見ているこっちも田中氏が居たたまれなくなった。


 ネットを通じて韓国でどのように報じられているか日本にも逐一入ってくるわけで、糾弾ばかりしている現状が伝わるから、今みたいに談話見直し論の政治家の人気が日本で出てきてしまう。もう少し外から見られていると意識したほうがいいのでは。