アニメ映画『この世界の片隅に』プロモを報道できないこの国のマスメディアのどうでもよいチンケな理由 - 木走日記
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20161025/1477381062
http://blogos.com/article/195427/
この記事の人は、マスメディア、民放テレビ局の情報番組(「めざましテレビ」とか「ZIP」とか)で、アニメ映画『この世界の片隅に』が全く(ほとんど)取り上げられていないことを問題視して、それは主演声優を務めるのん(能年玲奈)が、事務所移籍トラブルを抱えており、芸能界からシカトされているからだと喝破している。
それに対して、コメント欄では、
・TBSや朝日新聞などでは特集していた
・テレビ局や広告業界が製作に関わっていない
・クラウドファンディングで資金を集めるレベルで大々的にプロモできないだけ
・そもそも単なるアニメ映画は事前にあまり取り上げられない
などと反論されている。その通りだ。
ブログの人は、アニメ映画が民放で取り上げられない点と、のん(能年玲奈)が事務所トラブルで芸能メディアから干されている点を、わざと混同させて、「こんないい映画なのに芸能界のしきたりでプロモーションさせてもらえない!」とネットで映画のプロモーションをしている。
もともと「めざましテレビ」や「ZIP」などの朝の情報番組がアニメ映画を特集する時は、「芸能人の○○が声優初挑戦です!」なんて時くらいだ。こういった情報番組では、映画コーナーと芸能コーナーがあり、芸能コーナーのほうが時間が長く、プロモーションの時間がとれる。芸能人が声優やってれば、芸能コーナーで取り上げてもらい宣伝できる。だから映画の製作者は、声優に芸能人をゴリ押しする。ただの芸能人じゃダメだ。各事務所が押してる旬の芸能人を使わなければ、芸能コーナーで取り上げる価値はない。結果、「下手な芸能人が声優やるな」という評判になったりもするのだが、そういった後付けの評判は、映画の興行には関係ない。どれだけ宣伝できたかのほうが興行的に重要となるから、有名事務所の旬の芸能人を起用する。
しかし『この世界の片隅に』で起用されたのは、のん(能年玲奈)だった。「あまちゃん」の旬を過ぎ、現在形で話題になってるのは事務所トラブルだけ。いくら有名人起用でも、朝の情報番組の芸能コーナーで取り上げるようなタレントではない。映画製作者もそのくらいのことは分かっていて、民放情報番組での宣伝ははじめから期待していないだろう。それよりも、根強いファンが多い、トラブル中のタレントを起用することで、ネットの判官びいきによるバズ効果のほうへ、期待を込めているはずだ。結果、その通りに、最初の記事のように、マスメディア憎しの声がバズって宣伝となった。