執行猶予を満了した場合、逮捕歴を記述した検索結果は削除されるべきか

グーグル検索に逮捕歴、削除認めない判決「公共性ある」:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJBX4DY7JBXUTIL02J.html
東京新聞:逮捕歴表示の削除を認めず グーグル表示「公益性ある」:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016102902000171.html

この問題。
振り込め詐欺に関わって逮捕され、執行猶予つきの有罪判決を受け、執行猶予期間が満了となった男性が、自分の名前で検索した時に、逮捕歴を記述しているサイトを検索結果から削除するようにとGoogleに求めた裁判で、地裁判決では削除は認められなかった。
裁判前に行った削除の仮処分申請は通ったのだが。
判決では、「現在会社社長の立場であるので、信用問題として取引先が逮捕歴を知る権利はある」から削除は認められない、なんてことが裁判長から説明されたという。


ポイントは、現在男性が会社社長だから削除は認められないということで、この裁判長の場合、男性が一般人であったなら削除されるべきだという考えということ。強者の素性について社会は知る権利がある。弱者の素性については社会から守られる。社会を公正にするためには、これくらいの法律運用が一番ということだろう。


ただ、「会社社長だから削除は認められない」ということは、通常は削除できるということで、法律的にはどういうことなのか。Wikipediaの「前科」の記述では、「執行猶予期間の満了については、「刑自体が消滅する」見解と、「刑の言い渡しの効力が消滅するに過ぎない」見解がある」とある。
執行猶予期間を満了することで、狭義の前科は残らない。よって、検索結果からも削除するべきだ、という話だろう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E7%A7%91