ポーラのCMと牛乳石鹸のCM 「幻の女性」と男らしさ

「男」とか「女」とかをテーマにした、「性差」を感じるCMはもともと「炎上」となりやすいものだ。牛乳石鹸のCMが一部で炎上しているとのこと。

牛乳石鹸のウェブCMが意味不明すぎて怖い - 田舎で底辺暮らし
http://pokonan.hatenablog.com/entry/2017/08/15/194731
牛乳石鹸のCMが炎上してるやつの雑感 - ←ズイショ→
http://zuisho.hatenadiary.jp/entry/2017/08/16/015649
【画像】牛乳石鹸のポスターがすごくサイコパス : とろ速
http://torotter.blog.fc2.com/?no=44291

CM内容は、新井浩文演じるサラリーマンの父親が、自分の思い描いていた父親像とのギャップに思い悩むという内容。そうした悩みを「さ、洗い流そ」というコピーで締める。
一見して「家庭を大切にする父親」よりも「家庭を顧みない仕事一筋の父親」に価値があると受け取られやすい描写なため、炎上した。
 
自分は、このCMを見て、「男らしさとは何か」がテーマなのかなと思った。
というのも、最近よくテレビで流れる化粧品会社のポーラのCMが気にかかっていたからだった。

リクルート POLA(2017年ver・30秒) /株式会社ポーラ - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=t3dLhTXBIYg

「この国には 幻の女性が住んでいる。世間が そして私自身が作った幻想。誰かの『そうあるべき』が重なって いつの間にか 私が私の鎖になりそうになる。縛るな 縛られるな。(これからだ、私。)翼はなくとも 私は飛び立てる」

 
「この国には 幻の女性が住んでいる。世間が そして私自身が作った幻想。」という言葉から始まるCM。
枠に囚われた「女性らしさ」からの解放、古い女性像からの脱却を自身に訴えかけている。
ただ、この国に住んでいるのは「幻の女性」だけではない。「幻の男性」も古くから住み着いている。
(ポーラは「幻の男性」バージョンは作らないのか?)最初にこのCMを見て思った感想だった。
 
という時に見た牛乳石鹸のCMなので、ポーラのCMに対する疑問へのアンサーCMなのだと受け取った。
 
この国に住む、幻の男性。世間が、そして自分自身が作った幻想。誰かの『そうあるべき』が重なって自分が自分の鎖人なりそうになる。縛るな、縛られるな。幻想は時代で変わる。(さ、洗い流そ。)幻想に囚われず、俺は今日を生きる。
 
CMに出てくる「家庭を大切にする父親像」も「家庭よりも仕事優先の父親像」もどっちも幻の男性なのだ。そんなものは洗い流して、自分の姿で生きていけばいいのだと。
 
 
ポーラのCMの制作陣へのインタビュー記事があった。「幻の男性」についても当然意識していたとのこと。

このポーラのCM、男性にこそ見て欲しい | BUSINESS INSIDER JAPAN
https://www.businessinsider.jp/post-100743