TOKIO山口達也と平田オリザのMeToo処罰原則

番組で共演していた女子高生を自宅の部屋に呼び出し強引にキスをしたとして、強制わいせつ容疑で書類送検され起訴猶予となったTOKIO山口達也氏。ジャニーズ事務所は無期限謹慎を言い渡したが、5月2日のTOKIO4人の記者会見では、山口達也TOKIOを脱退しジャニーズ事務所も退所する意向を示したという。現在は、TOKIOの残りのメンバーが留保している状態だとか。
 
そういう現状に対して、世間やメディアでは「厳しすぎる」という声も上がっている。「TOKIOを辞める必要はない」「ジャニーズを辞める必要はない」「またTOKIOに戻って」という声も多い。
 
山口達也が起こした事件は、
・仕事上で強い上下関係がある状態で、
・仕事外のプライベートに誘い出し、
・性的行為を強要させた、
という点で、昨年から続く#MeTooセクシャルハラスメントパワーハラスメントが事件化したものであることは間違いない。
 
そういったハラスメント行為に対して、芸能界はどういった処罰をするべきなのか。人気タレントだった者は、同情の声に迎合して、復帰を早めてもいいのか。
 
一連のMeToo告発に対しての、各関係者の対応の中で、一番納得できたのが、演劇界で起きたハラスメント行為に対して、重鎮演出家の平田オリザ氏が下した処罰だった。昨年、演劇界では、演技指導を名目に女優志望の女子高生を呼び出し、わいせつ行為をしたとして若手有名演出家の男が、MeTooタグで名指しされ告発された事件があった。それに対して平田オリザは自身のサイトで加害者の演出家男に対して「二度と演劇に関わるな」という声明を発表した。これについても「『二度と』は厳しすぎる」という声があがったが、平田オリザは「加害者は、『演劇の著名な演出家という立場を利用して』『演劇女優を目指す女性を呼び出し』酷いことをしたのであって、彼がどんなに才能があったとしても演劇を餌に悪いことをする者は演劇に携わる資格はない」と説明した。非常に納得がいく説明であった。加害者の演出家は少なくとも平田オリザの目の届くところでは演劇の仕事をすることは不可能だろう。
 
この平田オリザの処罰の原則を山口達也氏のしたことに当てはめる。
『人気タレントであり番組のMCであるという強い立場を利用して』『番組の共演者であり芸能界に夢を持つ女子高生を呼び出し』酷いことをした。これはジャニーズ事務所はきっぱりと山口を辞めさせる事案であると思った。SMAP稲垣吾郎草なぎ剛のしたこととは全然違う。また、買春行為をした極楽とんぼの山本のケースとも異なる。少なくとも今後「アイドル」として活動することはとても無理ではないか。