小沢強制起訴のニュースと検察審査会の暴走

 民主党の小沢元代表が強制起訴された、というニュースがどこでも大きく取り上げられていた。検察審査会で2度目の起訴判断→裁判所指定の弁護士による強制起訴という流れ。検察審査会は一般人から選ばれた11人の男女が務める。報道によると、2回目の検察審査会メンバーの平均年齢は約30歳。11人中8人の賛成で起訴相当と判断される。今回は1回目は11人全員賛成。2回目も8人以上が起訴相当と判断したことになる。


 フジテレビの「とくダネ」でもトップニュースだった。チビ眼鏡のアナウンサーが嬉しそうに上に書いたことを読み上げる。一般人から選ばれた検察審査会ということで、従来の検察不信の報道ともミックスさせ、「法律の専門家は起訴できない、と判断しましたが〜」「市民目線では起訴相当になりました〜」。
検察の判断を一般人が覆した事実を「(小沢をはじめから起訴しなかった)検察の信頼性」に結び付けた小倉さんのコメントもあったけど、検察の信頼性というなら、検察審査会が起訴相当の根拠のひとつとしている供述調書は、検察が集めたものだけど信用できるというのかな。


 その後も「市民目線の判断なので〜」をうれしそうに繰り返すチビ眼鏡。裁判でも検察審査会の判断は一般人の民意なので無視してはいけない、小沢は有罪になる、という結論らしい。まるで裁判員裁判で有罪判決がでたかの報道。検察審査会裁判員裁判と同列のように語ってもいいものなのだろうか。


 コメンテーターの竹田圭吾さんが、興奮してるチビ眼鏡に冷静に釘をさす。「日本では起訴されたら有罪と同じように報道され、全てを失ってしまう。有名人や政治家ならその立場を失う。検察審査会の出した判断の根拠には、小沢の言い分が『信用できない』から起訴相当とあるが、信用できないという印象で判断していいのか。僕は今回は検察審査会の暴走だと思う」


 「市民目線の〜」を否定されたくないチビ眼鏡は華麗にこのコメントを無視していた。


 個人的には、裁判で白黒決着つける、というのは賛成なんだけど、「起訴=有罪」みたいな報道はいかがなものかと思う。検察審査会がどう思って、起訴相当にしたのかが気になるところ。従来の検察のように「小沢は有罪」と思って起訴相当にしたのか、「有罪にならなくてもいいからとりあえず起訴だけはすべき」くらいの判断なのか、「自分たちじゃ無罪と確定できない」から裁判の判断に任せることにしたのか。検察審査会は、匿名でいいので裁判員のように記者会見開くべきなんじゃないかな。


 追記
 チビ眼鏡の名前調べたら、大村正樹だった。「疑わしきは罰せず」の原則は裁判所だけでいいと思うので、検察審査会が起訴相当と判断してもいいと思うけど、マスコミが起訴=有罪の認識を改めなければ、検察審査会制度はなくしたほうがいいかもしれない。