テレ朝モーニングバード、地震学者に原発で文句?

今日のテレ朝、モーニングバード。珍しく静岡県浜岡原発の安全性についての特集。東海地震の想定震源域の真ん中にある原発ということで「大丈夫か?」「止めたほうがいいんじゃない?」という内容。東日本大津波を受けて対策を考えている、という中部電力の説明。そこにスタジオゲストとして、東北大学名誉教授で地震学が専門の大竹政和氏が登場。中部電力の対策を解説する。見てるほうの疑問としては、「ほんとにそれで大丈夫?」という不安。テレビのコメンテーターも同じ疑問を先生にぶつける。スパモニで玉川総研やってた玉川徹がコメンテーターになってて驚いた。この人はドヤ顔さえなんとかなればもっとテレビ受けするはずだ。で、この玉川さんが「その対策が完成するまで2〜3年かかるわけじゃないですか、その間に「想定外」の地震がきたらどうするんですか、安全に止められるうちに対策できるまで止めるべきじゃないんですか」との意見を大竹先生にぶつける。大竹先生は「止めるといっても原子力は供給電力の3割を占めていて」と的外れな解説したもので、玉川さんが「いや浜岡だけの話ですよ。中部電力管内に占める割合はもっと低いでしょ」と詰め寄る。大竹先生、目を瞬かせながらモゴモゴと答えたが、なんて言ってたかは忘れた。でも、納得できるものではなかったし、司会の羽鳥さんの進行に助けられてた。その後、女性コメンテーターに「なんであんな危険なところに建てたんでしょう」と聞かれて「私もわかりません」みたいに答えてたのが印象的。余談だけど、TBSの昼オビでも一昨日くらいに浜岡原発の話題をやっててコメンテーターの大谷昭宏が「12mの津波堤防を作るというけど、それならその間一時的に浜岡原発止めたらどうですか、中部電力の浜岡依存率は低いんだから、他の60Hzの電力会社に融通してもらえば十分でしょう」とコメントして、八代英輝弁護士に「でも福島第一原発の4号機みたいなこともありますし」と枝野官房長の「止めても止めなくても」と似た様なことを返されてた。いや、でも安全に停止できるうちに止めて、燃料温度が多少なりとも下がってればより安全で被害少ないと思うんだけどね。


で話を戻すと、テレ朝で玉川さんがゲストで招かれた地震学者の大竹先生に「浜岡止めるべきでは」と詰め寄ったことに対して、2chTwitterで「玉川馬鹿だろ、原発のことを地震学者に言ってどうすんだ」というような感想が多く見られた。私も一瞬そう思ったが、いやいやそんなことない。紹介テロップの肩書きに、重要な役職が書いてあるではないか。「静岡県防災・原子力学術会議構成員」と。静岡県原発災害対策を話し合う会議のメンバーなんだから、この先生に「対策できるまで浜岡一時運転停止」を主張するのは間違っていない。しかもよくよく調べると、他にも出るわ出るわ大竹先生の原子力関連の肩書き。

原子力安全委員会原子炉安全専門審査会委員(昭和56年〜現在)
同 専門委員(平成7年〜平成11年、平成13年〜現在)
同 基準専門部会耐震指針検討分科会主査代理(平成13年〜現在)
(独)産業技術総合研究所原子力安全基盤調査研究委員会委員長(平成14年〜現在)
(社)日本電気協会原子力発電耐震設計専門部会委員(平成6年〜平成10年)
地震地震動部会副部会長(平成10年〜現在)
(財)原子力発電技術機構耐震検討会委員(平成11年〜平成13年)

http://www.zisin.geophys.tohoku.ac.jp/ohtake/o-keireki.pdf
地震原発は切っても切り離せない研究分野のようで。で、まとめると地震学者の大竹先生に原発地震対策で「安全が確保されるまで原発止めてみたらどうか」と意見をぶつけるのは何も間違っちゃいない。ということで。



余談の余談だけど、テレ朝のモーニングバードでは浜岡に続いて、放射性ヨウ素が母乳から検出されたニュースが取り上げられてた。市民団体が原発周辺の母親を対象に調べたところ、茨城県の母親の母乳から数十ベクレルのヨウ素が検出されたというもの。東工大の松本義久准教授が電話出演し、「水の基準は安全に安全を重ねて100ベクレルだから心配ありません」と熱弁。加えて「人間は元々放射性物質カリウムを体内に持ってます。バナナ1本24ベクレルあるんです」と雄弁に母乳の安全性を語る。「過剰反応することはありません」とまとめられるところだが、ここでまたもや玉川さんが別の切り口で質問。一言一句同じには思い出せないが「母乳から35ベクレル出ました、体内にはいった放射性物質は他の方法でも排出されると聞きます。元々母親の体内に入った放射性物質はもっと数値が高かったんではないですか。100ベクレル以上摂取で母子ともに健康は大丈夫ですか?」という趣旨だったと思う。松本先生は想定外の質問にしどろもどろ。視聴者が「はっきり答えろ」とイライラしたところで、司会のタオルが入って終了。最後に「この数値なら安全安心です」を再び強調してまとめてた。回答がしどろもどろになってしまった松本先生だが、不意をつかれた質問で事前に準備をしておけば答えられたと思うので少しかわいそうだった。