今日のあさイチが悲しい

NHKあさイチ。6月6日の内容は、「“避難”する?しない? ママたちの決断」。原発避難で家族がバラバラになっている。福島のいろんな立場の母親の声を紹介していた。
一人目は、いわき市に夫を残して子供と東京に避難してきた女性。家族揃うのは、夫が自動車で東京までやってくる週末だけ。寂しがる子供。今月中に東京の避難所が閉鎖される予定で、住まいと仕事を探してる最中だが、夫は「心配しすぎ」と妻子にはやく福島に帰ってきてほしい、とのこと。「福島の人達の間でも、温度差が大きくて避難することは隠したり、全てを捨てる覚悟もいる。」と女性。
二人目は、一度県外に避難したけど夫の仕事開始と同時に福島県いわき市に戻ってきた女性。避難所に子供と一緒に残ることも考えたが「子供が避難先で寂しがるようになり、家族一緒にいるものだ」と福島に戻ることを決意。外遊びをさせないようにしていて子供にストレスがたまらないか心配、とのこと。
三人目は、子どもだけ東京の避難所に避難させてる片親の女性。「指示がないなら自分で避難するしかないと思った」。毎日手紙を送り、会えるのは月に一度だけ。寂しがる子供。子供からの手紙には「ママなんて大嫌いだ。手紙はもういい。でもママも放射能に気をつけて元気でね」などと綴られる。「寂しい思いをするより、健康でいられなくなる方が怖い」と母親。
どれもこれも避難させた理由は放射線の子供への影響を心配してのもの。出てきた母親はいわき市の人が目立ったが、いわき市がいくら現状の放射線量なら問題ないと言っていても、ホットスポットと呼ばれる部分的に高濃度になることもある。ゲストの鎌田實さん交えて「全ての世帯で放射線量計測したほうがいい」とスタジオでは結論だしていたがその通りで、時間かけてもチェルノブイリのような汚染地図を作ってみればいい。


県外避難の問題のひとつはやっぱり経済的なもので、仕事のために福島に残る夫と県外で暮らす妻子という二重生活や福島の家のローンにお金がどうしてもかかってしまう。福島に戻るきっかけも「夫の仕事」が多い。それでも子供の心配をする母親の姿を見て、何とか子どもだけでも原発事故が収束するまでホームステイさせることができないか、と思った。


福島からの避難にはもうひとつ問題があってこっちのほうも深刻だ。避難のことを持ち出したとたん、親、義親、親戚、近所あるいは夫にまで「逃げるのか」「避難したくても出来ない人もいるのに」と言われる問題。避難している母親がヒステリー起こしてるみたいに見られる。逃げる母親が風評被害を巻き起こしてるのだ、と。一方で避難していない母親も「子供を見殺しにしてると思われているんじゃないか」と疑心暗鬼になってしまう。
あさイチでは視聴者からの投稿FAXが読み上げられるのだが、これがまた悲しかった。
いわき市風評被害に苦しんでいる。いわき市から避難している人を放送したがそれはあくまでもその人個人の考え。また誤解をうむから放送しないでほしい」「ただでさえ風評被害に苦しめられている福島県民の避難を悲劇的に取り上げるのはやめてほしい。国が大丈夫と言う以上ここで頑張るしかないと思っているのに、そんな報道をされるのは迷惑」「関東の人は騒ぎすぎないで」「現地で頑張ってる人もいるのに避難している人に平穏な生活をかき回されてしまう気がする」みたいな。
VTRが避難者寄りだったせいもあるのか、紹介されるFAXは反対意見が多かった。避難者が責められているようで悲しかった。スタジオでは「避難する人、現地に残る人どっちも正しい」とまとめていたが・・・。亀裂ができてしまって、いや以前から原発推進と反原発の間で亀裂もあったろうが、ただただ悲しい。





“避難”する?しない? ママたちの決断
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2011/06/06/01.html


あと印象に残った部分
放射線被曝量の基準について鎌田實さんが、「研究者の意見も様々で、前は放射線をそれなりに受けてもリスクはないという人が優勢でしたが(鎌田先生もこっち側)、最近は少しでも受けたらリスクになるという意見が優勢になってきた」と言って、司会が「どうしてそうなったんですか?」。うまく答えられてなかった。


東電社員の奥さんにインタビュー。「避難所では東電関係者なことは隠している」「震災後夫が原発にいって心配」「人生終わったという感じ」。司会のイノッチが「今までは東電と聞くと『なんて事してくれたんだ』という感じだったじゃないですか。でも・・・」