20年後に全てのネットユーザーの情報を公開しよう

本日の日テレ「スッキリ」では、食べログに端を発したネットのヤラセ騒動を特集していた。その中で口コミ削除業者による歯科医院への営業電話の録音が公開された。口コミ広場に医院の悪い評価が寄せられてますけど、うちが削除しておきましょうか、という内容。院長が断ると、口コミ広場に良い評価を書きこんでおきましょうか、と別の営業。録音を聞いた記者がこの企業に電話取材すると「担当者がいないのでわかりません」という回答。院長は、この企業が悪い評価を自分で書いて営業するマッチポンプを疑っていた。ITジャーナリストの井上トシユキが「ステルスマーケティング」という言葉を紹介。ステマは確かに倫理的に責められることだけど、番組の作りには、ステマと犯罪行為である詐欺を意図的に混ぜ込んで視聴者にミスリードしているように感じられた。
スタジオで井上トシユキによるネットの口コミとのつきあいかたが伝授される。1.不自然に集中して書きこまれている口コミは注意する。2.ネットの口コミは信用しすぎない。
2に限っては口コミサイト全否定という気持ちのいいシメ方をする。別に全否定しなくても、「信用できるアカウントを見つける」だったり「この口コミは違うと思ったら自分で書き込む」でいいと思うけど。リテラシーつけて食べログで☆5つある店にいったら全然ダメだった、ってなったら「食べログ信用できない」ではなくて「食べログで☆5つつけているユーザーは信用できない」になればいい。そして自分で「☆5つつけているユーザーがいますが自分は☆1つです」と評価を投稿すればいい。最初の☆5つがやらせだとしても、それに釣られていった客がちゃんとした評価を下せば飲食店の評価はまともになると思う。「☆1つつけたけど、食べログ運営に削除された」ってなったら「食べログは信用できない」ってなるけど。
最後にテリー伊藤が、ネットの匿名だから信用できないみたいな言い方で、「じゃあ俺らが飲食店レビューすればいいじゃん」とか言い出す。「俺らは匿名じゃないし金もらってないから本気でレビューできるでしょ」「コーナーやろうよ、葉山はカレー好きだからカレー屋担当ね、テッちゃんはラーメン屋ね」。これでネットのやらせ問題のコーナーは終わりだが、なんという締め方か。
テレビや芸能人の飲食店紹介が恣意的で信用できるもんじゃないから、ネットのユーザーによる口コミサイトが人気出たんだろうに。ネットの口コミダメだからってまたテレビに戻るとかアホか。でもテリー伊藤のことだからそういうのも織り込んだ皮肉のコメントだったかもしれない。


ネットのやらせはステマ意外にも政治系の自作自演だったり他人を陥れる捏造書き込みとかいろいろあると思うけど、2chTwitterみたいなコミュニティサイトは20年後にユーザー情報を全て公開するようにしたらどうか。別に30年後でも50年後でもいいけど。アメリカの公文書は機密事項でも数十年後には全て一般に公開されるようになっている。こうした公文書により、過去の歴史が発見されて時たまニュースになる。2chIPアドレスは現在非表示であり、通報受けたときに警察にだけ教えるようになっている。たまに運営の人が「中国からのアクセス酷い」「企業からの書き込みが酷い」と2chでの工作を匂わせたりするが、具体的には分からない。これを20年後に全部一般に公開するようにしよう。将来の研究者が、当時の政治経済に影響を与えたネット言論がどんな人によって作られていたのか、ネットでどんなことが起こっていたのか分析できるようになる。ステマの歴史も丸わかり。ネトウヨサヨク中韓のネット工作の形跡も見ることができるだろう。自民党民主党の支援者の匿名書き込みも政治史にとって重要かもしれない。特定の個人や組織を追及する目的ではなく歴史を記録するために、2chTwitter、その他のSNS、ブログサーピスなんかのIPアドレスなどのユーザー情報を数十年後に全て公開できるようにならないだろうか。