議事録を必要としていないメディア

東日本大震災のときの国の重要会議の議事録がないことの問題。ほんとけしからん。と思っていたら、阪神大震災のときから、災害時の緊急会議では議事録が作られたことがなかったことが判明し、報じられた。
与党民主党批判に繋げたい人は拍子抜け。地元の新聞は「官僚けしからん」的な論調。テレ朝のワイドスクランブルでは「政治家と官僚に呆れる」みたいな感じ。コメンテーターの人は緊急時だから仕方ない、と一部擁護してたけど。
議事録がないことが明らかになったのは、NHKが法律に基づいて情報公開を求めたから。それ以前から枝野大臣か誰かが議事録は作られなかったことを会見で発表して、みんな薄々分かっていた。NHKが情報公開を求めなかったらウヤムヤなまま終わっていたかも。
何で阪神大震災中越地震などの議事録がないことが今まで分からなかったかというと、誰も議事録公開を求めなかったからだそうだ。テレビニュースで政府、官僚側の意見としてそんなことを言ってた。
マスコミで大騒ぎしているが、今までそのマスコミ自身が議事録を必要としたことがなかったということだ。阪神大震災の村山内閣の対応なんて、後でものすごい批判されたのに、当時のメディアは当時の議事録を使った検証をしようとも思わなかったということか。政府の発表と「関係者」、「周辺」の証言だけで、当時の状況が形作られる。
今回はNHKの記者が議事録の検証を思いついたとはいえ、NHKって昨年、政府の震災対応を再現ドラマで表したドキュメンタリー作ってたよね。あの中に会議の様子も描かれていた気がするが、どうやっってNHKは会議の詳細を知ったというのか。議事録ないのに。会議に出席した関係者とその周辺の人の証言を集めて作ったんだろう。再現ドラマは民放でもあったが、同じように関係者の証言を取材して作ったんだろう。議事録公開を求める必要なく。
マスコミは新しく起きることしか取材しないから、過去の議事録の検証なんて今まで必要なかったんだろう。それを上から目線で政府や官僚だけを批判されても・・・という感じ。