TBSの鰻ニュースが酷かった

2013年7月19日放送のTBSの夕方のニュース番組『Nスタ』。
18時台の全国枠で、土用の丑の日にちなんで、ウナギに関するニュースを流す。
テロップで、「22日は“土用の丑の日” 中国産に絶滅危惧種ウナギが…」。
ここで一つ、「いや、日本のウナギも絶滅寸前だろ」とツッコミ。



さて実際のニュース内容。
まず土用の丑の日に関する日本の様子を紹介。ウナギ価格は高騰してるけど食べたいよね、みたいな。
次に本題の中国産ウナギについて。中国から輸入されるウナギにはワシントン条約で規制されているヨーロッパウナギが混じっているという話。専門家が売られているウナギをDNA検査したら分かったとのこと。ふむふむ。密輸か?



しかしその後に続いて、なぜ中国で養殖されるウナギに規制の対象となるヨーロッパウナギが混じっているかといえば、何と書類を揃えて手続きすれば、少量ながら稚魚をヨーロッパから輸入できるとのこと。ということは別に条約違反ではないってこと?それとも違反だけど書類偽造してるってこと?一体、TBSは何を問題にしているのだろう?真相は分からず仕舞い。



そしてウナギのニュースはまとめに入り、スーパーで売られているウナギには品種表示義務はなく、中国産には絶滅危惧種が混じっているから気をつけろ、国産表示でも中国から幼魚のうちに輸入されたものがあるから気をつけろ、と視聴者に注意勧告し、さらに、最近では稚魚がとれなくなったニホンウナギに代わり、東南アジアとかアフリカのウナギが注目されている、と流してこのニュースは終了。



中国産は絶滅危惧種ヨーロッパウナギが混じっているから、国産のニホンウナギを食べましょう!だって。なんか、すっごい他人事みたいな報じ方にイラッと来るニュースだった。そりゃ中国の乱獲なり密輸なりは糾弾されるべき、するべきですけどね、ニホンウナギだって絶滅が心配されて、最近になってようやく国際的な規制が話し合われようとしてるじゃないですか。せっかくの土用の丑の日なんだからそっちも報道したらどうか。土用の丑の日のニュースで、「価格が高騰している」「稚魚の漁獲量が減っている」とまでは言っても、「数が減ってる」「絶滅が危惧されている」なんて言葉を聞いたことがない。


朝日新聞デジタル:蒲焼き恋しく、ナスで鶏で… ウナギ高騰、苦肉の策 - 社会
http://www.asahi.com/national/update/0719/TKY201307180477.html
・外来ウナギも「国産」の謎…水産庁、表示検討へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130719-OYT1T00754.htm?from=rss&ref=rssad