3つのネット記事が同時期に目に入る。
アメリカで、白人俳優が黄色人種メイクをして日本人を演じる演劇が、アジア系社会の抗議運動を受け中止になった。
大炎上した日本風オペラ「ザ・ミカド」はなぜ怒りを買ったのか | 本田真穂
http://www.huffingtonpost.jp/maho-honda/the-mikado_b_8217132.html
「ザ・ミカド」は、100年以上前の1885年、イギリスでイギリス人によってイギリス人のために作られました。
(略)
「ザ・ミカド」が物議をかもしたのは、今回が初めてではありません。2004年にはニューヨークで、2007年と09年にはロサンゼルスで、2007年にはボストンで、2011年にはオースティンで、2013年にはデンバーで、そして2014年にはシアトルで、同じく「ザ・ミカド」の公演に対する抗議運動が起こっています。シアトルの模様は全米ニュースにとりあげられて注目を集めました。白人の俳優がアジア人の役を演じることを、俗に「イエローフェイス(Yellow Face)」と言います。もっと具体的には、アジア人っぽいメイクアップを施したり、英語にアジアなまりを加えたりすることで、アジアっぽいイメージを誇張して演じることがイエローフェイスと呼ばれます。
「ザ・ミカド」の公演スタイルを含め、イエローフェイスの是非については長年にわたって議論されてきました。
白人女性が自嘲として「愚かな白人」をディスるジョークをツイートしたら炎上して仕事を失った。
インターネットで他人を血祭りにあげる人々 | 渡辺由佳里 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
http://www.newsweekjapan.jp/watanabe/2015/09/post-6.php
ツイッターでアメリカの情報を追っている人は知っているかもしれないが、2013年12月にある女性が書いたツイートが、世界的に大炎上する事件があった。IACというネットサービス企業でPRのシニア・ディレクターという要職に就いていたジャスティン・サッコは、当時30歳で、洗練された金髪美人だった。ニューヨークから南アフリカへの長旅の途中、乗り換えのロンドン・ヒースロー空港で次のようなツイートをして、飛行機に乗り込んだ。
"Going to Africa. Hope I don't get AIDS. Just kidding. I'm white!"
(アフリカに向かっているところ。エイズにかからないといいけど。冗談よ〜。だって私、白人だもん)ぱっと見ると、人種差別丸出しのひどいツイートだ。けれども、ジャスティン本人は、アメリカのスタンドアップコメディアンがよく使う自嘲のテクニックで「愚かな白人の発想」をあざ笑ったつもりだったのだ。
エイズが黒人やゲイがかかる病気だと思い込んでいる差別的な白人はまだまだ多く、「アフリカは怖いから行かない」と真面目な顔で言う人がいる。それを前提にしたジョークなのだが、ツイッターの場では危険だ。慣れている人なら「これは絶対に誤解を招く」とわかる。
仏風刺雑誌シャルリーエブドが、難民に冷たいヨーロッパ社会を嘲笑する風刺画を掲載したら、逆の意味にとられ炎上した。
シャルリー・エブドがシリア難民の溺死幼児の風刺画 表現の自由の議論再燃
http://www.huffingtonpost.jp/2015/09/16/charlie-hebdo-reopens-freedom-speech-in-japanese_n_8143976.html
フランスの風刺雑誌シャルリー・エブドが最新号で難民と移民の危機的問題について議論の種をまいたと、伝えられた。雑誌に掲載され、ソーシャルメディアで広がった風刺画には、溺死したシリア人の幼児アイラン・クルディ君が砂浜にうつ伏せで横たわり、その上に「すぐそこが目的地だった…」との文字が描かれている。
背景にあるマクドナルド風の広告看板上のメッセージは、「1人分の値段で子供メニューが2人前」と記している。
(略)
同誌同号に掲載された別の風刺画は、「ヨーロッパがキリスト教の国である証拠」と題され、海面に立つイエス・キリストらしき人物が描かれ、恐らくアイラン君のものであろう子供の両足が海面から出ている。その風刺画は「キリスト教徒は水の上を歩ける…イスラム教徒の子供は沈む」と書いている。
(略)
トルコのデイリー・サバ紙は、その絵が溺死した幼児を嘲笑したものだと主張した。
おそらく全てリベラルで、それなりに学歴があるであろう白人たち。おそらく彼らは、同じ白人に向けて白人社会を自嘲、嘲笑しようという目的も持っていた。けれども白人社会の外から政治的正しさを持っていないと批判され炎上し、トラブルとなった。
同じ話で、日本でも航空会社のCMで日本人タレントが金髪カツラに付け鼻をつけて白人を演じたら批判を受けたり、日本人アイドルグループが肌を黒く塗って黒人を演じたら批判を受けるということもあった。
このような人種コスプレは許されないのか。黒人が白人、黄色人種を演じる仕事がメジャーとなれば何か変わるだろうか。
白人が日本人に扮して何が悪い? - The Mikado問題 - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/880909
日本を小馬鹿にした外国コメディの皮を被って実際には自国の上流階級を批判する。
それが日本に対する差別にならないという根拠になるという理論
弱者を批判の道具にするな問題