治安維持法は戦争がなければ良法だったか

「テロ等組織犯罪準備罪」、いわゆる共謀罪が近く成立しそうだということで、戦前の治安維持法と比較する意見が出ている。治安維持法の議論の時も、「恣意的な運用はしないから大丈夫!」「テロを防ぐためだ!」などと言って、国民や議会を説得し成立したと。結果、共産主義者などが捕まって、拷問死させるなどした。共謀罪反対者は、治安維持法の悪い点が復活することを心配している。
ここで思う。
治安維持法が悪法だと認識されたのは、日本が戦争に負けたからだ。戦争して悲惨な目にあって、当時戦争を反対していた共産党員や左翼主義者の言い分も正しかったんじゃないか、なんて話になって、戦争反対者を取り締まった治安維持法は悪法だ!と結びつく。GHQの指導もあって、そうなった。
仮に、日本がアメリカと戦争をしない道に進んでいれば、治安維持法は国民に悪法だと認識されることもなく、「アカは逮捕されて当たり前」は続き、今になっても廃止されずに運用の仕方を変えたり、テロ対策のための改定を繰り返しながら今でも残り続けたのではないか。
治安維持法が悪法なのは戦争に負けたから論。
だから共謀罪がどんな運用をされようとも、悪法になるのは戦争になって負けてからだろう。