「調査報道」(笑)の言葉の軽さ

元朝日新聞記者が始めた新たなネットメディア。今の流行りは「調査報道」という言葉らしい。

記者2千人の朝日新聞が「調査報道」できないのはなぜか? 朝日出身「ワセダクロニクル」編集長が語る理由(亀松太郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kamematsutaro/20170219-00067858/

この記事にもあるが、「調査報道」という言葉を聞いて思うのは「今まで調べてなかったの?」というツッコミだ。
 
そんなわけあるかい。
 
キュレーションメディアじゃあるまいし、新聞・テレビが「調査」ならぬ「取材」をしていないわけはない。
 
そこで「調査報道とはなんぞや」と考えながら、この記事を読むと、どうやら「調査報道」とは「横並び報道」と対比される言葉らしい。横並び報道と言っても、各社全てがプレスリリースを丸写ししているばかりではないだろう(ワセダクロニクルが問題視したのが共同通信社のプレスリリース丸写し記事だったわけだが)。取材の結果の横並びは調査報道ではないのか。この記事の人は、調査報道ではないと思っているようだ。
 
つまり調査報道とは、単に「マスコミが横並びで報じていないスクープ」ということになる。
これって別に今までにいくらでもあったでしょう。
 
単なる一社単独スクープは違う?でも普通、一社単独で報じるには、裏付け調査は横並びの時より熱心になるものじゃない? 調査じゃないの? マスコミ報道でなくても、個人ジャーナリストが雑誌に発表する取材記事は調査報道じゃないの? 社会研究した新書は?
 
結局、「調査報道」という言葉は、「キュレーションメディア」(笑)とか「バイラルメディア」(笑)といった言葉と同じく、単なるネットメディアのブランディングのために流行語でしかない。