「イバンカ基金」という見出しのつけ方について

安倍首相が「イバンカ氏基金」に57億円を拠出? でも実際は…
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/ivanka-japan2?utm_term=.daDKwGeYZA#.wm0WvpxNBo
「イバンカ氏基金に57億円、安倍首相が表明」ってホント?
http://www.huffingtonpost.jp/2017/11/03/ivanka-fund_a_23265393/

この辺の記事から「イバンカ基金」という表現は「誤報だ」「デマだ」とちょっとした騒ぎになっている。
 
ただ私は、この基金の性質からメディアが「イバンカ基金」と見出しをつけてしまうのは悪いことではないと思う。
「イバンカ基金」という呼称から、「イバンカがプライベートで立ち上げ運営している基金」という間違ったイメージをしがちなのは、イバンカ本人がお金持ちビジネスマンであるからだろう。
「イバンカが発案し設立を主導し現在も広告塔として引っ張っている基金」を省略しての「イバンカ基金」であるが、例えばこれと同じことをミシェル・オバマがして「ミシェル基金」と記事見出しがついたとしても、彼女のプライベートな基金だとは思わないだろう。どこかの基金の名誉職的な立場になっているのだな、と考える人のほうが多いはずだ。こう言えるのは、日本のメディアならミシェル・オバマの個人的な業績をことさらイバンカのように持ち上げることはしなかったはずだと思うからであるが。
 
日本政府とメディアがイバンカの業績をことさらアピールしたからこそ、その成果である基金に「イバンカ基金」という俗称がつけられた。日本語的に、貢献者や代表者の名前を俗称にするというのは珍しくはない。
今回はトランプファミリーと安倍政権という政治的対立が起こりやすいカテゴリを含んだニュースだったからこそ、一語一句の使い方に右往左往してしまうこととなった。