ポプテピピック作者のTwitter発言と、立場の上下による受け取り方の違い

アニメ化され人気漫画となった「ポプテピピック」。他人をディスったり社会風刺したりする毒舌ギャグ4コマ。
 
この漫画について、WebメディアR25の編集者が「絵やノリが苦手」とツイート。
 
この投稿の10分後、ポプテピピック作者の大川ぶくぶが「俺サイバーエージェントとも仕事してるんだけど」と返信。R25は、サイバーエージェント子会社が運営。
 
編集者はツイートを削除し謝罪。
 
一連の流れを見ていた人たちは、
大川ぶくぶの対応は当然だ。ビジネスマナーとして正しい
大川ぶくぶの対応は圧力だ。毒舌ギャグ漫画作家として最悪
と2つに反応が分かれた。
議論は紛糾している。
 
 
Togetterでまとめられていたものを確認してみたが、大川ぶくぶの問題の返信ツイートは圧力をかけているようには見えず、むしろツッコミ待ちの発言に見えた。つまりこういうこと。
 

R25ポプテピピックの絵が苦手」
大川「俺サイバーエージェントと仕事してる漫画家なんだけど」
フォロワー「お前そこまで大御所漫画家じゃねーだろっ」
R25サーセンwww」

みたいに、大川ファンのフォロワーが大川の発言にツッコミを入れることでギャグとして完成する。
 
実際のツイートにも「お前も竹書房をディスっててお互い様だろ」などというツッコミが入っていた。
 
大川の問題の投稿は、こうした誘い受けギャグツイートではないかということだ。R25投稿の10分後に返信したことからも「エゴサしてんのかよ、必死だなw」ともツッコミを入れやすい。
 
 
だが、こうしたことを考えている人は少なく、Twitterの反応を見る限り、大半は、大川ぶくぶが本当に不快な気持ちになりR25にクレームを入れたと受け取っていた。多くの人が、このように受け取るということは、大川自身にこのように受け取られる素地があったのかもしれない。この辺のことは、普段の大川の人柄を知らない自分には判断つかない。
 
なので、ここでは、大川は本当はギャグで言ったのにマジに受け取られたということにして話を進める。
 
 問題は、他人をディスりまくっていた毒舌ギャグ漫画が、アニメ化され大ヒットしたことで、作者のステータスが上がり、発言の性質が、単なる「毒舌ギャグ」から「ご意見番」へと短期間で変化していたことを、作者自身が認識不足気味であったことにあるのだと思う。
 
「毒舌ギャグ」は「よく言った!」という声はあれど、発言を直接的に受け取る人は少なく、社会に影響は及ばさない。一方で、「ご意見番」にステータスアップしてしまうと、その発言は「教科書的正しさ」を帯びて、発言を直接的に受け取る人が多くなる。
 
ポプテピピック作者の場合は、アニメを大ヒットさせ多くの人に認められる「立場が上」の漫画家となり、その発言に「ご意見番」の性質がついたにも関わらず、アニメ化前の「立場が下」の漫画家の立場で、単なる「毒舌ギャグ」を言ってしまったことが、R25編集者やフォロワーや他のTwitterユーザーとの間に受け取り方の違いを生み出してしまい、変にこんがらがってしまったのではないか。