市橋達也の逃亡記を読んで図書館の大切さと、円滑な職場関係を創りだす方法を知り、ニートにやる気を起こさせた

市橋達也の本を読む。
Amazon.co.jp: 逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録: 市橋 達也: 本
http://www.amazon.co.jp/dp/4344019415

素直に面白かった。文章に読みづらいところが多かったが(特に前半)、それでもイッキ読みできた。


市橋は逃亡するときに図書館をよく利用していたことが分かった。
大きい図書館に入って調べ物をする、という描写が何回も出てくる。
図書館利用の目的は、自分に関する新聞記事を読むためもあるが、調べ物も多く、その調べ物の全てに適切な回答をゲットしている。
まず「ドヤ」という言葉で検索して出てくる本を調べてドヤ街の情報をゲットしている。これは後に大阪の西成で日雇い労働者として働くときの重要な情報となる。
南国の無人島に逃げたいと思ったら、これまた図書館で検索。沖縄の人があまりいない離島に関する本を読み、実際にその離島に逃げる。
沖縄の離島でサバイバル生活をしたいと思ったら、図書館で本を検索。食べられる魚、植物、食べられない魚、植物を調べ、メモ書きし、実際にサバイバル生活に生かしている。


市橋が金を稼ぎ出すようになると、調べ物は図書館ではなくネットカフェですることが多くなるが、市橋のような図書館利用の仕方こそ本来の利用の仕方に感じる。




市橋は沖縄逃亡をきっかけに建設業、土木業、解体業で日雇い労働するようになるが、その現場の中で円滑に仕事をこなすためのコツをつかんだ、と書いている。
・あいさつをしっかりする
・笑顔を多くする
・嫌な仕事も断らない
・言われた事以外、行動しない
・「金を貸して」と言われてもはっきり断る
などを実践して、市橋は、どこの現場仕事の中でも、他の日雇いと比べて重宝されてたという。



市橋は沖縄で求人誌をもらい東京の派遣会社に電話するが、携帯を持っていないので断られる。しかし派遣会社の担当は市橋に沖縄の現場を紹介してくれる。その現場でもホームレスは断られるが、その現場の人がこれまた別の人を紹介してくれることになる。その人がいい人で市橋に住む場所と仕事をくれ、そこで建設作業のいろはを市橋は学ぶ。市橋は「30歳神奈川出身ニート親に追い出されて沖縄にきた」と自己紹介。同僚も親切で市橋が体調不良でも仕事に行こうとしたときに、「バカヤロウ、そういうときが危ないんだ」と仕事を休ませ病院にいって点滴を打たせた。市橋はもちろん保険証を持ってないので、費用は社長が負担してくれた。他の現場の描写でも親切に同僚に仕事を教えてもらった、というのが多い。
年下に怒鳴られたり、嫌なことも多々あったとは思うが、そういう恨みつらみがこの本には一切書いてないので、とてもポジティブに仕事を捉えられる。
「10万円渡してニートの息子を追い出した親」の話が先日流行ったが、その息子も市橋の本をバイブルにすれば希望が持てるのでは、と思う。