「平清盛」の言葉について

昨日始まったNHK大河ドラマ平清盛」。作中でセリフに使われている「王家」という用語が一部で再び問題になってるそうな。私は裏番組のKAMIWAZAを見ていて、大河は土曜の再放送のときに見ようかなと思っているのでまだ見てない。予告見る限り、清盛が「庶民を守るヒーロー」的存在に描かれている気がして見る前からゲップがでそう。コメディとして見られる分、江のほうがいいかも。
時代劇で一般的でない時代を扱う場合、その時代らしさを出すのが難しい。視聴者に共通見解がないからだ。ドラマ慣れしている戦国時代、江戸時代、幕末なんかだとお約束の時代描写が既に出来上がっているのだが。これが出てれば平清盛の時代、というものは思いつかない。鎧装束着て戦争してれば戦国時代なんて簡単なものではない。平安時代と聞いて思いつくのは十二単で小説書いてる紫式部の姿だけど清盛とは時代が違うか。言葉遣いだって現代と中世ではいろいろしゃべり言葉は異なっているはずだが、ちらっと見た限り役者はみんな東京の言葉をしゃべっている。舞台は西日本がメインのはずだが。幕末ドラマにあるような公家言葉も関西風の訛りも聞かれない。ドラマの世界に全く中世らしさを感じない。もちろん、もしドラマで当時の言葉をできる限り再現しようとしてみたら、視聴者はついていけなくなるから、演出上そんなことはするはずがない。中世らしさを出そうとしてNHKがいろいろ知恵を絞った結果が「王家」という言葉なんじゃないか。中世を研究すると「王家」という言葉が出てくる。よし「王家」という言葉を使うから舞台も中世らしくなるだろう。みたいに考えて。現代では「王家」と聞いたらヨーロッパの王室みたいなものをイメージして天皇の血筋を表すものとは違う意味を感じるものだ。他のセリフは現代の東京の言葉で話しているのに、「王家」だけ視聴者に現代のイメージではなく中世の意味で取れ、というのも微妙に矛盾してないか。現代語で話されるセリフに「王家」という言葉は合わないんじゃないか。