アルジェリアテロ事件の報道

アルジェリア武装テロ事件。遠い異国の地の出来事という点を差し引いてもいまいち実感がつかめないのは、アルジェリア政府が隠蔽体質だとか、日揮が被害者名を公表しなかったからとか以前に、一体何人あそこにいて何人で襲ってきて何人犠牲になったか、ということが、全然(というわけではないけど)報道されなかったからだ。特にテレビ報道では「日本人○人」という話ばかりで、全体の犠牲者数が放送に乗ることがなかった。今朝のテレビニュースで日揮の会見が流れて、やっとあそこにいた日揮の関係者が78人と知った。と同時に今朝の新聞で、やっと日揮の仕事についていた日本人と外国人の犠牲者数を知った。(確かに被害の割合を見れば日本人が積極的に狙われたと思わないでもない。)しかしそれで終わりではない。あそこで仕事していたのは日揮だけではあるまい。BPの副社長が殺害されたとは報じられたけど、他の企業ではどれくらいの被害があったのかとか未だ分からない。現状分かっている被害の全体像をまとめてくれている報道が自分の見る限り見当たらない。↓のリンクの毎日新聞の論説の見出しを読んで、そういう自分の感じたモヤモヤ、これほどの国際的事件にも関わらず邦人被害だけを伝える報道のあり方の話なのかと思ったら、単に実名を発表しようというコラムだった。実名報道を求める動きは否定しないけど、その前にもっと報道することもあるんじゃないだろうか。



発信箱:日本人だけ「○人」?=福本容子(論説室)− 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/opinion/news/20130125k0000m070110000c.html