石原伸晃の2012年の「尖閣失言」について

この記事について。

ファンタジスタ石原伸晃の伝説 - ヘソで茶をわかす変更する
http://www.hesocha.com/entry/nobuteru

上のブログ記事に次のようなことが書かれています。

さらに3発目。「尖閣諸島に中国は来ない」と発言。これ自体は他の政治家も言っている人がいますので、問題かと言われれば微妙ですが、発言の翌日に中国船が大挙して領海侵犯をしたため、主に右寄りの勢力から大きな批判を受けることとなります。

これは、自民党石原伸晃氏が2012年にテレビ出演した際に発言した内容として書かれています。
しかし、読んでいて少しあれ?と思う部分があったので記憶を整理する目的でここに記しておきます。


石原伸晃氏は2012年9月11日、自民党総裁選を控え、テレビ朝日報道ステーションに総裁候補の一人として出演しました。そこで右派が失言と捉える、「(中国は尖閣諸島に)攻めてきませんよー」という発言をしました


2012年9月11日は、当時の野田政権が尖閣国有化を完了させた日であり、その日の報道ステーションのトップニュースでは、中国の監視船2隻が尖閣諸島周辺海域(領海ではない)に侵入したと報じており、その直後の「中国は尖閣諸島に)攻めてきませんよー」という石原伸晃氏の発言だったため、ネット上の右派に揶揄され失言として扱われることになりました。


冒頭のブログ記事には、

発言の翌日に中国船が大挙して領海侵犯をしたため

と書いてありますが、事実として、発言の翌日(2012年9月12日)に中国船が領海侵犯したということ自体がありません。
海上保安庁による、2012年(平成24年)9月の中国公船の尖閣諸島領海侵入の記録がこちらになります。

http://www.kaiho.mlit.go.jp/mission/senkaku/data_h24_09.pdf

尖閣国有化により日本に牽制するためか、中国公船の領海侵入は2012年9月に爆発的に増えているものの、領海侵入が始まるのは2012年9月14日からです。
なので、「発言の翌日に」中国船が領海侵犯したという事実はありません。


当時、マスコミ報道で噂されていた「中国漁船1000隻が尖閣諸島へ来る」という内容など、日中双方の思惑によりそれぞれで煽り立てられて、中国では暴力的な反日デモが起こり、日本では漁船に工作船が紛れ尖閣諸島に上陸する危険性などが報じられていました。


このような中、9月26日の自民党総裁選までの間、尖閣諸島周辺に中国公船が来たなど、尖閣諸島をめぐる問題が報道されるたびに、石原伸晃氏の「(中国は尖閣諸島に)攻めてきませんよー」という発言が失言として、より強調されることになっていたのです。