トランプ支持者は「白人差別」をスローガンにしないのか、してるのか

ドナルド・トランプが次期大統領に決まったということで、クリントン候補の支持者たちが全米各地で抗議デモを繰り広げている。トランプが勝利した理由として、白人の低・中所得者層の「ヒルビリー」と呼ばれる人たちの、マイノリティ優遇への不満があったとも言われる。
ポリティカル・コレクトネスとして、黒人やアジア系、移民、難民が、アメリカ社会のあらゆる面で、白人より優遇されていると思っている。
ヒラリー・クリントンを支持していた人たちは、トランプが大統領になることで「白人至上主義」が復活する危険を訴えている。事実、KKKと関わりのある人物が政府要職に内定した。
この「白人至上主義」という言葉である。英語だと「White supremacy」。
大統領選で、トランプが白人票を集めたのは、不当に白人が差別されている、と感じる人が多かったからだ。「白人は弱者になった」から、弱者視点でトランプに助けてほしいと訴えている。
しかし、日本のテレビでも大統領選の報道で、KKK関係者などへの取材映像が流れていたが、自分の見た限り、そこで掲げられているスローガンは「ホワイト・パワー」とか「ホワイト・プライド」といった、「強者としての白人」を訴えるものばかりだった。


一方、日本だと話は逆で、最新の右翼、保守はネットで「日本人へのヘイト行為」「日本人差別」を訴えていて、ある程度それは成功している感じがする。在特会のような団体が行う、国際的に、在日朝鮮人、韓国人から日本人は差別されているのだ、ヘイト行為を受けているのだ、それでいいのか、という主張である。自分たちは弱者であると強調して、仲間を募ろうとするのだ。
沖縄での「土人」発言で、沖縄県民が批判されることになっているのも、「弱者の警官が強者の沖縄県民に差別されている!」という認識からだ。


トランプのアメリカだけでなく、日本含めた世界で極右化が起こっているが、日本では自分たちを弱者として下から目線での活動となっているのに対して、アメリカでは未だに自分たちは強者として上から目線での活動となっている感じがする。ここで一転して、KKKに変わる「被差別白人」の団体を作って、「白人を差別するなー!」「白人ヘイトを辞めろー!」というデモ活動を巻き起こしたらアメリカはどうなるのか、気になる。