議会を占拠・囲まれる国は正常

アメリカの連邦議会前で抗議集会を開いていたトランプ支持者が、トランプ大統領の呼びかけに応じて議会に突入し、一時占拠した。

 

抗議デモのトランプ支持者らが米議会に侵入 女性が撃たれ死亡 | アメリカ大統領選 | NHKニュース

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トランプ派の主張とは相容れないが、政府・政権への抗議として市民・国民が警察警備を突破し議会を占拠しようとするのは、民主主義国家でも起こってしかるべしだ。

 

2014年の台湾のひまわり学生運動での議会占拠はその後の蔡英文政権を誕生させたし、2019年の香港デモでの立法会占拠は記憶に残ってるし、ウクライナのユーロマイダンでも議会を囲んだりしてヤヌコビッチを追い出した。

 

こうした民主と自由を求める市民による議会への肉体的圧力は、アメリカ政府・政権も好意的に受け止め、支持し、援助も行っていたはずだ。それを今さら自国で同じことが行われたからといって、行為を「暴動」だと切り捨て非難するのはどうなのか。トランプ派の「陰謀論者」は、選挙不正を訴えて民主と自由を求めようと、議会へ突入した。

 

同じトランプ支持者が「あいつらは極左のアンティファでトランプ派ではない」と切り捨てるのはどうなのか。

 

今回の事件では議会に突入した女性が一人、警備員に射殺されている。アメリカが批判した香港警察は議会占拠したデモ隊を射殺していない。普段から殺傷能力ある銃器を日常的に使うことで反権力が集まるのを抑え込んでいるのがアメリカの民主主義だ。アジアでデモ隊を抑えるのに放水や催涙弾を使うのとは、権力に立ち向かう抗議者に見せる権力側の本質から違う。普段は自由を標榜させるが、本気で抵抗してきたら射殺。