太宰と加藤 なぜ差がついたか…慢心、環境の違い

6月22日のNHKクローズアップ現代は、生誕100周年となる太宰治特集。

6月22日(月)放送
生誕百年 太宰治はなぜうける?


世を去って60年以上経つにもかかわらず、太宰治の作品群は現代の若者層に異様なほどの人気を誇っている。特に教育関係者が驚くのは、中高生の読書感想文に、教育現場では敬遠されがちの『人間失格』が圧倒的に多いこと。出版部数も前年比550%、多くが10代20代の若者である。背景には「時代の空気に違和感をおぼえた若者たちの共感を呼んでいる」ことや「句読点を多用するブログに似た太宰文学が受け入れられやすい」などの理由があるという。一方で、この人気を利用して、太宰文学の「巧みな一人称語り」を題材に、対人関係を苦手とする高校生に、コミュニケーションのあり方を教えようという試みも始まっている。留まるところを知らない太宰人気の背景と、今、若者が太宰から学ぶべきものは何かを考える。
(NO.2754)


スタジオゲスト : 井上 ひさしさん
    (作家)


最初に出てきたのは太宰ファンの男子高校生。小学生のときから漫画500冊を集めてきて、小説に親しんではこなかったが、突如太宰に目覚め、太宰の作品はコンプリートしてしまったよう。太宰しか読んでないのか、太宰以外に読んでる小説はないのか、聞きたかった。
次に太宰治人間失格で読書感想文を書く中高生が近年は異常に多いというデータ。毎年、人間失格の感想文の数は多いそうだが、分析するとどうやら不況の苦しい時期には数が増えるらしい。
去年、人間失格の感想文で大賞をもらった女子高生登場。「この主人公は、自分だ」という書き出し。太宰の文章は優しさであふれてるそう。
スタジオ戻って井上ひさし登場。なんか見てるだけでハラハラする。
中学校の教室。中学生向けに、大学講師が太宰をテーマに授業。人間失格の文章が書かれたカードと、もうひとつ現代の若者が書いた文章のカードを生徒に配って、それぞれの文章を比較させる。生徒が「ふたつの文章はよく似ている!」と結論出したところでネタばらし。実は、現代の若者が書いたという文章は、秋葉原殺傷事件の加藤被告が事件前にネットに書き込んでいた文章だった!講師は言う「2人の文は似ている。しかし、太宰は現代まで読まれ続け、加藤はネットで無視され事件を起こした。何故、太宰は読まれ、加藤は読まれなかったのか。太宰には優しさがあるからだ。読む人をフォローする優しさがあるからだ。」
スタジオに戻って太宰の小説の一説を俳優の近藤さんが朗読して番組終了。
こういう回があるからクローズアップ現代は面白い。