埼玉女子中学生監禁事件の教訓

埼玉県の女子中学生が2年間行方不明だったのが発見された事件。千葉の大学生が言葉巧みに誘拐・監禁していたことが発覚。少女は繰り返し「お前は親に捨てられた」「親がお前を売った」と言い聞かせられ人間不信になり逃げ出すことができなかった。ネットで親が探していることを知り、自分から逃げ出し、公衆電話で自宅に連絡し、警察に保護されることができた。このことで、ネット上では「公衆電話」が注目され、「今どきの子は公衆電話の使い方を知らない。自宅の電話番号を暗記していない子も多い。この少女は偉い。うちでも教えなければ」という意見がぞくぞくと発信され、テレビや新聞でも「公衆電話の使い方」という紹介が大きくされているのを見た。
しかし。事件発覚に公衆電話がそこまで大きな役割を果たしてないだろ、というのが自分の感想であった。
出ようと思えば出られた緩い監禁状態を脱却できたのは、少女が洗脳から溶けたからだ。「親が売った」「親に捨てられた」として見知らぬ土地に連れて行かれ、学校にも行けずに奴隷状態で男に家事を命じられ従うしかない状態から、ネットで自分の名前を検索することで現状のおかしさを正しく認識することができ、自ら出て行くことができた。
もっと早くに正しく自分の現状を把握し、出て行く事はできなかったのか。そのためにはどのようなことを子供に教えなければいけないのか。公衆電話の使い方より先にこういうことをまとめて欲しかった。
まずは人権問題。子供を借金の方に売り払うなんてことは現代では犯罪にしかならない。そういう話に巻き込まれたら子供でもすぐに警察や施設に駆け込むように指導しよう。
教育問題。他人に預けられたとしても子供を中学校に通わせないなんてことも犯罪だ。通わせてもらってないならすぐに警察や施設に駆け込むように教えておこう。
他人とのつきあい方。少女は1人で買い物したり宅配物を受け取るなど外部の人間と接触できていたが洗脳は溶けず逃げられなかった。気安く話せる他人が1人でもいれば、もっと早くに洗脳が溶けたかもしれない。大人の頼り方、人見知りせずにおしゃべりできるように日頃から練習しておこう。
子供でも自分の権利、関わる法律を把握しておこう。ってな具合に。