固定電話を持たないこと

京都府亀岡市の無免許少年による10人死傷事故の報道。
運転していた少年の父親が「遺族に謝罪したい」という理由で、警察から被害者10人の連絡先を、更に被害者女性の子供が通っていた小学校から女性の携帯番号を入手し、それぞれ電話をかけたら、遺族が「被害者は加害者の情報を少年だからと教えられないのに、加害者には被害者の情報を教えるのか!」と怒ったという話。個人情報の扱いについては、あまり言うことはない。法律に反するなら粛々と処分をすればいい。
この話を不気味なものにしているのは、亡くなった女性の携帯電話に加害少年の父親が電話をかけてきたこと。持ち主が亡くなっていることが分かっている携帯電話に連絡するってどうよという話。家電の固定電話にかけていれば、ここまで不気味なニュースになることはなかったと思う。加害者父親は、死亡したもう一人の子供の家族にも電話をしているが、そちらははじめは大きなニュースになることはなかった。携帯にかけた父親の感覚がずれているのか、死亡女性の携帯にかける理由があったのか。報道によれば、小学校教頭は連絡網に使われていた被害女性の携帯番号を加害者家族に伝えたという。今の小学校、幼稚園では連絡先に携帯番号を書くのが普通。知り合いの若夫婦の家は固定電話をひかずに携帯だけで済ませているが、被害女性の家も固定電話を引いてなかったのではないか。加害者父親が得た連絡先は携帯電話の番号だけ。「謝罪したい」という気持ちだけがつっぱしり携帯に電話をかけてしまった。
この事故に限らず、連絡先に携帯電話を記している場合の契約者に不幸があった時の不幸なすれ違いは起こりそう。亡くなった人の家族と連絡を取りたいけど亡くなった人の携帯電話番号しか知らない時、亡くなってると分かっていても亡くなった人の携帯電話に電話をかけられるか。各世代の電話に対する感覚によって違うのかな。