生肉食について

朝ドラ前後に民放ワイドショーつけたらユッケの食中毒問題ばかりだった。
TBSの朝ズバ、卸業者の「加熱用しか出荷してない」と焼肉店の「卸業者にユッケ用の肉と勧められた」という証言を両方紹介して、アナウンサーが「表面上は食い違ってるけども実際には生食すること前提で取引していて、えびすだけではなく焼肉店全部に言えること」と言っていたのが好感もてた。悪い意味でアンタッチャブルな取引が行われていた実態。規制強化検討のニュースを紹介して「今まで厚労省何やってたんでしょうねー」とみのもんたの官庁批判を垂れ流す形。
フジテレビのとくダネのほうは、ニュース解説する笠井信輔アナと司会の小倉智昭さんの間でユッケ問題に関する温度差があって面白かった。笠井アナはみのもんた同じく「厚労省何やってたんだ」と熱を帯びて断罪する形。そのなかでこれまた見逃せない失言が出ていた。厚労省が1998年に定めた生肉の取り扱いに関しての指針について話すとき、笠井さんが「前年に『かいわれ食中毒問題』などもありまして厚労省が作ったもので…」と紹介。これじゃ堺市O157食中毒の原因がかいわれ大根みたいじゃないか。堺市O157の発生源は牛肉の可能性が高い、とその後の検査で分かっているのに。何のために肉の生食に関する指針を作ったと思っているのだろう。牛レバ刺しなどの肉の生食から発生する食中毒が頻発したからじゃないのか。笠井さんは「厚労省がしっかり指導してこなかったから」みたいに厚労省を責めたててたが、メディアが肉の生食に関して注意喚起を怠ってたから悲劇が起きたのでは?宣伝費込みのグルメリポート番組でユッケや肉の刺身を世間に浸透させリスクを言ってこなかった責任は?とか思った。めざましテレビのココ調で子供を高級焼肉店に連れてくという調査があったんだけど、10歳くらいの女の子がメニューで一番好きなものが「レバ刺し」で(もちろん牛だろう)、その店で3人前ぺろりと平らげ更にお代わり注文しようとしたところ店に止められるという場面があった。この時は子供に生肉食のリスクなんて思ってもみなかった(すっかり忘れていた)けど、今後生肉食の場面をテレビで流すときは「生肉食には食中毒リスクがあります」というテロップが必須になるかもしれない。
で、笠井さんが馬肉の事例を紹介して生肉の規制強化に熱を入れる一方、小倉さんのほうは冷めた表情。「馬肉はいいけど牛肉は供給量が違うから生食用の専門加工施設作れるのか」「規制作っても管理・検査を徹底させないと意味ないのでは」みたいに、自身も焼肉店経営しているためか現実的なことを言っていた。文脈忘れたけど印象的だったのは「ふぐはどうなの?生肉以上に毎年食中毒のニュースがあるって話になりますよね」という言葉。時期が時期だけに原発問題と重ねてしまって、原発推進派の「原発より火力発電のほうが死者が多い」という意見と重ねてしまう。ふぐの場合、食べて死ぬこともあるって分かってるけど、生肉食の場合は今までそんなこと広まってなかったのが問題なんだと思う。