「車道を走れ」と言いつつ車道を走らないマスコミの自転車

本日のSBSのローカルニュース番組「イブニングeye」で、警察庁が自転車の車道通行の徹底を求め始めたというニュースについて特集していた。その中で、報道記者の一人が「実際に自転車に乗って車道を走ってみました」と言って、歩道付きの2車線道路を自転車で走行していたのだが、記者が走っている場所は車道外側線の外側で、車道じゃない。ときどき路肩駐車の自動車を避けるため、車道に入るのだが、またすぐ後に車道外側線の外側に戻ってしまう。この記者はガードレールを隔てて歩道と車道しかないと思い込んでいるということ。
歩道からガードレールの向こう側に出たというのに車道を走らず、この記者はわざわざ狭苦しく走りにくい車道外側線の外側を選んで走っている。交差点を走るときもわざわざ横断歩道の自転車レーンまで折れ曲がって走っている。
そして記者が「車道」を走ってみた感想は、「駐車している自動車を避けるときや交差点を渡るときに危険を感じた」というもの。




日本経済新聞のかくも不誠実な対応(かなり長いっす)の(週刊 自転車ツーキニスト449)http://melma.com/backnumber_16703_5329677/
上の記事では、自転車評論家の方が、「自転車は車道を走っている限り危険ではない。横断歩道の自転車レーンが自動車ドライバーの自転車見落としを誘発し交差点の事故を発生させる原因となっている」と述べている。
路上駐車している自動車を避けるときも、車道外側線の外側から車道中央に入って避けるよりも、車道左側から車道中央に入って避けるほうが安全というものだろう。
私の家の近くの国道では、車道外側線の外側は側溝やら排水口やらあったりしてデコボコしていて自転車で走るのは危ない。なので、それなりに交通量が激しい道路なのだが、思い切って車道を走ってみた。後続の自動車はわざわざ対向車線に大幅にはみ出しながら追い越ししてくれた。昼間はいいけど夜間はかなり怖いかもしれない。



というわけで、この番組の報道記者は体験レポートするならちゃんと調べて、今度は実際に車道を走ってみて問題点を見つけてもらいたい。車道を走らない記者にここまで文句を言ってきたが、私は自転車の原則車道通行は危険と思うほうである。漕ぎ手の体力や車体の性能によって、自転車は全く速度が異なる。自転車の平均スピードである時速15km〜20kmで車道を走っていたら、渋滞を引き起こす原因になりそう。夜間なんかは反射板があるにしろ、スピードを出してる自動車が、車道の自転車に気づかずに跳ね飛ばす事故が起こりそうだ。自転車が車道を走ることについて、自動車・バイクのドライバーの了解がしっかり取られているのかが大きな疑問である。



東京キー局の自転車報道では、歩道を走る無法自転車の映像ばかり流しているが、SBSの今回の報道を見習って、記者が実際に通勤、帰宅時の道路を自転車で厳密に走ってみて問題点をあぶり出してほしい。