NHKで突如速報が入り、国内で「年内解決へ向け」とか言ってるところもあり、さらに妥結後の「韓国の蒸し返しの保証は？」なんて懸念を今からしているテレビ番組まであったりして、日本国民として「？？？」とはてなマークしか浮かばない、慰安婦問題の日韓会談まわりの報道。
気持ち悪いのは日本政府の思惑ばかりが報じられ、韓国政府の動向が一切入ってこないところ。
それなのにすでに韓国政府が妥協して問題解決に合意をすることが前提としての報道が先行している。
まったく意味が分からない。
大々的に「これで解決」と報じられる日本政府側からの妥結案は、人道的観点でのおわびの表明とアジア女性基金のフォローアップ事業の拡充と、安倍首相を支持する右派がかつて批判した村山内閣が行った内容とそっくりそのまま。新しいところは、問題を蒸し返さないためにアメリカで妥結文書に合意をし、大統領に立会人になってもらうという点だけ。韓国政府には慰安婦像の日本大使館前からの撤去の妥協を求める。
この日本の案を、いったい韓国側のどのレベルまで飲み込んでいるのか。日本の報道ではまったく見えてこない。韓国メディアは案の定、不信感を抱き、韓国の慰安婦支援団体は日本メディア先行でリークされる妥結案に猛反発している。しかし日本メディアはそんなの気にすることなくイケイケドンドンで「日韓妥結」を報じる。これで外相会談がまとまらなかったら「慰安婦問題解決は韓国が拒否している」という印象だけが日本国内には残る。それが目的だが、こういう計画を綿密に準備して実行しているのが、安倍内閣で始まった日本版NSC、国家安全保障会議なんだろう。
