どうしても獣医学部を作りたい加計学園。新参私立の新設要望は文科省にはなから相手にされず、執念であらゆる手、あらゆるコネクションを使って政治を動かした結果が今にある。
加計学園が安倍首相、各担当大臣、有力官僚、有力財界人に、民主党政権時代も含めて要望を出し続けた。加計学園獣医学部新設の要望は、今治市の国家戦略特区として実現する。加計学園のための特区であることは自明である。
野党は、加計学園ありきで制度を作ったのが問題だと批判する。京都産業大学も特区に応募したのに、加計ありきの条項が新たに付け加えられたため、排除されたという。
それを政府与党は、加計学園ありきではなく厳正な審査の結果、特区に加計学園が選ばれたのだと反論する。この反論は誰もが嘘だと思っているが、政府はあくまでこの論を譲らない。特区の内容が出来た後に場所が選ばれるという形式が政治的に重要だということ。
政府与党支持者の場合は、この形式にこだわらずに、加計ありきで特区ができて当然、だと政府をかばう。加計学園の陳情で獣医学部新設の特区制度ができたのだから、加計学園前提で場所の議論が進んだのは当然だという。
加計問題は、政治家、官庁側の問題ばかりが指摘される。加計学園のために制度を動かしたことが法律等に抵触するのではないかということだ。そのこと自体は当然だ。
自分のために制度を動かすことを要望した加計学園の問題はどのように指摘されているのか。最近では下村元文科相への献金問題、他に昭恵夫人や下村夫人を役職につかせている問題。元文科省OBを雇って文科省の後輩に陳情させた問題。萩生田副長官とのつながり。安倍首相個人との遊びでの金銭のやり取り。
これらと陳情内容との関係は。疑惑となっているのはここである。
あらゆる手段で陳情して、自分のビジネスを成功させる。それはどこまで許されるのか。
