行為とそれに対する罰則との不釣り合いさの問題

これ。2020年代に注目される課題。

 

ロシア最高裁、人権団体の解散を命令 旧共産党による被害者追悼の団体 - BBCニュース

https://www.bbc.com/japanese/59814580

同団体がオンライン投稿で自分たちは「外国の代理人」に政府に指定されたと明記していなかったページの中には、過去30年間でまとめた政治的抑圧の被害者の膨大なデータベースも含まれていた。

弁護人たちは、「外国の代理人」指定の不記載といったミスはすべて修正済みだとして、このような技術的ミスを理由に「メモリアル」ほど重要で尊敬されている組織を解散させるなど、違法行為とそれに対する罰則が不釣り合いだと述べた。

 

ロシアや中国のように直接的に強権をかけるということはなくても、日本にも問題があると騒がれてる相手・団体に対し当局が別件逮捕することでマスコミを騒がし社会的制裁をかけるなんてことはよくある。

群馬の朝鮮人強制労働の碑の撤去問題なんかは、集会主催者が「強制労働」という言葉を使ったからというだけで議会で設置を決めたはずの碑そのものを撤去しようとしている。

ネット炎上事案で、炎上した当事者が謝罪・撤回するだけではなく仕事を辞めることを求める運動にまで発展する。炎上した人の生活維持は考慮に入れられていない。

他人を排除する「キャンセルカルチャー」は強権的な保守政治の場でも民主的なリベラル運動の場でも起こる。

生活感が似ている人たちだけで閉じた社会を作れたらどんなにいいことか。といっても現実でそんな社会を作れるはずはない。そんな社会を作ったとしても「似ている」と思い込んでいるだけで、一緒に暮らせば差異のある他人と分かり摩擦は起きる。

 

千葉県警のVチューバー動画削除の件

表現の自由」を訴えるなら抗議先はまず千葉県警や千葉県であるべきだろうに、公開質問状も署名の提出先も「フェミニスト議連」というのが大きな疑問であり不信である。

県や県警にVチューバーコラボ動画復活を求める数万件の署名を出せば、今の千葉県知事なら「ネットの要望」を受けてすんなりとコラボ復活する方針を示したりしそう。

なのに彼らは「フェミニスト」にばかり顔を向けている。県も県警も騒動に反応を示したくても蚊帳の外に置かれた状態では新たに動くことができずにむしろ困惑しているのではないか。

行政で関わって発表されたものに対して、どこかしらから抗議が起き、それを受けて行政が削除する、という騒動に対して、例えば昨今全国で問題となっている朝鮮人慰霊碑の件なんかだと、右派の議員や市民の抗議を受け、行政が「削除」したりしているのだけど、慰霊碑の再設置を求める側が対決する相手は行政である。抗議活動を仕掛けた右派へも批判や抗議をするにしても、判断したのは行政であるから、行政に対して「削除」の判断は間違っていると抗議し、裁判したりする。

それがアニメ・漫画が関わると「オタク」の抗議先は最初に抗議をした人・組織にばかり向かい、彼らは行政をスルーする。これでいいのか。

フェミニスト議連」は抗議のためにまず質問状を提出し見解を問うた。ここで県警は「適切な手続きで決定したため問題ない」と突っぱねることもできたはずだが、動画削除で答えた。動画コラボ相手の指針は内部で決められていないのだろうか。決められていないから「質問状受けて面倒だ」とサクッと削除になってしまったんだろうな。「手続きが適切だから」で回答が終わってたら、後の「県警の広報動画として見た目が適切かどうか」の問題は市議会や県議会の議題になり、そこでコラボ相手の具体的な基準は何かみたいな方針がオープンな場で出来上がっていったのではないかな。

今回「県警の動画削除は適切か」も行政に問わなければいけない件である。

韓国映画『スイング・キッズ』の疑問

動画配信で『スイング・キッズ』を視聴。評判は良い割に知名度が低い韓国映画。コロナ禍の始まりに公開時期が被ってしまったがゆえに、日本で感想がバズることがなかった不幸な映画。しかし面白さは抜群。

・音楽(ダンス)映画

・はぐれ者同士でチームを作る

・師弟関係でライバル関係

・夢としがらみとの間で葛藤

・後半のすさまじい展開

面白くならない要素はない。

特に最後のすさまじい展開は見終わったあとに「戦争やってんだよ!」とガンダムっぽいセリフを心の中で叫んでしまった。劇中に出てくる人物は全員戦争の真っ只中だったのだ。

 

視聴の余韻に十分に浸った後に湧いてきた疑問を。

楽団のアジア人は助かったのか? 最初の発砲後に逃げていたと信じたい。

少年兵の子供も亡くなった? 穴から逃げていたと信じたい。

ロ・ギスの兄、ギジンの障害は生まれつき? 何となく戦争で頭を怪我して脳に障害を負ってしまったと自分は解釈していたが、戦闘マシーンの才能だけはある生まれつきの知的障害の解釈がメジャーらしい。なんで兄に障害設定を入れたのかが理解できない。

原作のミュージカル版のシナリオでは、兄は知的障害ではない。しかし人質に取れれてしまうのは一緒。ミュージカルでは兄弟愛、家族愛が大きなテーマだが、映画では兄弟の絆よりジャクソンとの師弟の絆をメインで据えているため、兄のキャラを目立たせないために作劇上の都合から知的障害にして出番を抑えたということだろうか。

手広く活動してる問題ある団体・組織との仕事や関わり

前首相の安倍晋三が講演したことで、韓国のキリスト教カルト教団である統一教会の政治活動がSNSで注目されている。これとは別に、公共での美少女絵の表現の是非をめぐる対立をめぐり、統一教会人脈が関わる団体が絡んでたことも「発見」され、統一教会がホットワードになった。

ただ統一教会に関連した媒体と仕事したからというだけで、相手に反省を求めることではないと思う。

 

 

統一協会の関連媒体へ記事を掲載させている政治家や研究者は反省してほしい - 法華狼の日記
https://hokke-ookami.hatenablog.com/entry/20210916/1631801220

hokke-ookami.hatenablog.com

 

過去には2ch等でネット右翼らが、「『赤旗』にインタビュー記事が載ったから、あの芸能人は共産党員」「『潮』に記事を寄稿したから、あの論者は創価学会員」みたいな雑なデマを拡散させていた。

最近では米中対立の激化から、「孔子学院は中国のスパイ養成機関で通う学生はスパイ」「千人計画参加の研究者は反日スパイ」という雑な煽り加害もある。

「ヤクザとの関わり」「反社との関わり」批判も同じである。

問題ある団体・組織と関わるのにも、各々にそれぞれ経緯や事情があるのであり、関わった相手側に、問題ある団体・組織のメンバーであるという人物がいたとしても、関わる全員が問題ある団体・組織に賛同しているわけではない。

広告塔に使われていないか、問題ある団体・組織に都合よく使われていないか、十分に警戒する必要はあるにしても、一緒くたにしないように、個別の言論や関わり方を見た上で是非を問いたい。

 

 

 

 

 

OculusQuest2では、DeoVR Video Playerを使ってWindows10の基本機能であるDLNA経由でPC内に保存している動画を見ることができる。

この方法では外付けHDDに保存した動画も見ることができる。

しかし先日試したらDeoで外付けHDDに保存した動画を見ることができなかった。以前までできてたのに。

試行錯誤の結果、細かな原因は専門家でないので分からないが何とか見られるようになった。

以前は、外付けHDDはPC上でLドライブとして認識され、ライブラリでもLドライブで登録していた。

イメージディスクを読み込む仮想ドライブでKがあったが、PC上の整理をする過程でイメージディスクをアンマウントし仮想ドライブKを無効化した。

その結果、外付けHDDのドライブはKドライブとして認識され、Deoではエラーが出て外付けHDDのフォルダを読み込めなくなった。

ライブラリでは自動でKドライブと変更されていたが、一度ライブラリから削除し登録し直すことで、フォルダは読み込めるようになったが、中の動画は空っぽになっていてDeoで認識されることがなかった。

PCの再起動、OculusQuest2の再起動も無効だった。

そこでもう一度イメージディスクをマウントして仮想ドライブKを復活させ、外付けHDDはLドライブになるようにした。

ライブラリも一度削除し登録し直した。

Deoで動画データが認識され再生できるようになった。

PCとDeoのどちらに原因があるエラーなのか、分からないままだが、動画は見られるようになった。

 

解決方法:

WindowsMediaPlayerで「ライブラリを再構築」すれば問題が解消すると分かった。

Windows Media Player Legacy でライブラリを再構築する方法 | ドスパラ サポートFAQ よくあるご質問|お客様の「困った」や「知りたい」にお応えします。 (dospara.co.jp)

faq3.dospara.co.jp

これで解決した。

韓国の子供への名付け ハングルと漢字の混用名が法律でOKになるまで

この話。

2人とも外国籍のご夫婦が娘さんの出生届を出そうとしたら「漢字とカタカナをミックスした名前は受け付けられない」と言われた話 - Togetter
https://togetter.com/li/1731240

 外国人の名前を文書にする時の役所のルールとしては「本国で使われている名前の読みをカタカナで表記する」というのが第一原則で、例外として「中国と韓国の漢字圏の国で使われている名前は、日本で使われる漢字の範囲内で漢字で表記できる」とする。

だから普通は、全てカタカナか、全て漢字で表記することになるのだが、提出されたのは漢字とカタカナを混ぜた名前だった。

役所はルール上できないと一度は拒否したが、漢字圏の韓国と、英語圏のフィリピンの国籍の夫婦の子供だったこともあり、ルールに適応していると判断され漢字とカタカナの混用での出生届を認めた。

一方で韓国籍の父親は、漢字とカタカナだけでなく平仮名での出生届もできるようにしてほしいと、ルールの拡大を要望している。

しかし、平仮名表記で出生届を出そうが、外国籍なのだから本国に本国の言葉で表記される「本名」があるはずで、日本国内での表記はあくまで本国語の名前の翻訳である。

仮に韓国籍の親が日本での子供の出生届に「朴 世界サナ」と名前を書いて提出するなら、それは韓国で「朴 世界사나」と氏名登録されていることが前提となる。

というわけで韓国の子供の名付け方を日本語で検索したら、トップのサイトに「韓国ではハングルと漢字を混用した命名は禁止」と書いてあった。これが本当なら日本の役所に届け出られた「朴 世界サナ」という名前は偽名ということになる。

本当かなぁと韓国語で検索をしてみると現在の事情がわかった。

韓国でも子供の名前にオリジナリティを出したい親はいて、ハングルと漢字を混用した名前で出生届を出して役所に拒否されるケースが複数起きてたそうな。

しかし役所が「ハングルと漢字を混ぜた名前はダメ」の根拠とするものは法律そのものではなくて、附則として書かれた例規の1文。だから2015年、ある親が役所を裁判に訴えて、裁判所は漢字とハングルの混用名を認めた。

ところがこの判決をもっても例規はそのまま残ったため、役所で混用名の出生届が拒否されるケースがあった。2016年、「羅 贇별」という名前を認めてもらうために親が裁判を始めた。

딸 이름 한자·한글 혼용하면 안되나요?…부모 '헌법소원' | 연합뉴스
https://www.yna.co.kr/view/AKR20160721176600054

主張は、予防接種や健康保険など手続きを早く終えるために一時的と思ってつけた子供のハングル名を漢字ハングル混じりの名前に改名したい、というものと、混用名禁止の根拠となっている例規の削除を求める、というもの。

1年後の判決で、2つの主張は棄却や却下がされてしまったが、改名に関しては抗告審で親の主張が認められ、ついに娘に「贇별」という名前をつけることができた。

「漢字+ハングル混用してつけた名前の2年ぶりに取り戻し... 裁判所改名許可| 聯合ニュース
https://www.yna.co.kr/view/AKR20170316167700054

 一方で、この裁判はニュースとして韓国内でも注目され、国会議員が動くことになり、混用名を可能とする新法案が成立することとなった。

이름의 기재문자와 관련된 가족관계등록사무 개정 2017. 6. 29. [가족관계등록예규 제509호, 시행 2017. 6. 29.] > 규칙/예규/선례 > 본문조회 | 종합법률정보
https://glaw.scourt.go.kr/wsjo/gchick/sjo330.do?contId=2231719#1623813524502

5.名前のハングル·漢字表記

姓名欄の漢字欄にハングルと漢字(人名用漢字の制限範囲内のもの)を混合して表記した出生届などは受理することができる。 

1.改正理由

○お名前の漢字表記部分にハングル·漢字混合表記も可であることを明確に

2. 主要内容

○氏名欄の漢字欄にハングルと漢字(人名用漢字の制限の範囲内のもの)を混合して表記した場合でも、その申告を受理することができることを定める(第5号)

 だから4年前まで韓国では漢字とハングルを混用した名前は「禁止」だったが、新法によって現在は韓国の役所で漢字とハングルの混用名をつけて出生届を提出しても拒否されることはない。韓国籍の親が「朴 世界사나」という名前で韓国で出生届を出しても受理されるし(5文字規定もクリア)、日本の役所に「朴 世界サナ」と提出しても現在の日本の外国人の名前翻訳のルールの上で何の問題もないことが分かった。

 

「クローズアップ現代」 終了かリニューアルか

NHKのジャーナリストがNHKの内部情報を入手して来年にクローズアップ現代+が終了することが内定したと報じるも、NHKは「まったくの事実無根」と終了すら完全否定、元NHKのジャーナリストは入手した内部資料の一部を公開し、NHK内ですでに「クローズアップ現代+」の次の番組の検討会議が始まってることを明かした。

 

「クロ現」終了の記事を「まったくの事実無根」としたNHKの見解は事実ではない(立岩陽一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/byline/tateiwayoichiro/20210410-00231897/

  

NHK資料には「クロ現の次」も報道番組であることが書かれている。NHK大本営としては、記事に書かれたような政権に忖度しての番組終了ではないことを強調するために「まったくの事実無根」と強弁したのかもしれない。

しかし「クロ現」ブランドを捨て去ること自体が今まで番組を支持してきた視聴者としては受け入れがたい行為である。そのブランド自体を保守与党の政権は敵視しているとも言える。(番組の中身よりも)

番組は軽いテーマのろくでもない回もあり玉石混交。捏造取材騒動もあって時間帯が代わり「プラス」にリニューアルされた。「クロ現」の名前を残したのは政権への忖度ではないことを強調したかったからだろう。

しかし今回、「クロ現」の名前も消し去った新たな番組が作られるらしい。今後どうなるか分からないが少なくともNHKの人間は、そう考えて外部に情報提供している。

「クロ現」自体、特に「プラス」になってから、特にリベラルだとか政治的に左右に偏ったような番組内容ではない。しかし「社会派」な番組である。社会派である以上、どうしても現体制、現社会情勢への批判・不満の意見を取り上げることは多くなる。こうういった「社会派」自体が政権には都合が悪い。

もう何年も前に週末夕方にNHKで放送されていた「国際ネットワーク」という国際ニュース番組が終了し、代わりにバラエティ色を強くした「これでわかった世界のいま」が始まった。この番組は安倍政権に都合のいい目線での特集を組むことで普段から批判され、最後は黒人差別的な特集が大きな問題となりトランプ政権の終了とともに今年度終了した。

仮にNHKが「クロ現+」後にバラエティ色が強めた、ひな壇に芸人やタレントのコメンテーターを座らせるような番組を始めても誰にも支持されず炎上が続きすぐに終了すると思う。