買わない行為こそ正常な消費者

風評被害が深刻な場面でこそ食育の出番じゃないの? - とらねこ日誌
http://d.hatena.ne.jp/doramao/20110329/1301405897


風評被害に対してどう防ぐか、ということが書かれてる。消費者以上に流通が過剰反応してるのでは?という問題提起をしている。私たちが積極的に買うことで風評被害に対抗しようという話。


上記の記事を読むのと時を同じくしてNHKあさイチ」でも原発周辺県の農作物の話題を特集していた。関東のスーパーの買い物客20人くらいにアンケートをとったところ、「どんな野菜でも買います」と答えたのは4人のみ。あとは「買い控える」「葉物野菜は躊躇する」「子供に食べさせられない」といった答えだった。この結果にスーパーの仕入れ担当は大激怒。「食べないんだったらゴミになっちゃう。被災地に寄付すればよかった」。スタジオの森公美子も激怒して「風評間にうけちゃダメ」。その後、東大の先生に市場に流通している野菜がいかに安全かを語らせ始めたところでテレビを消した。


先日スーパーで茨城県産のレタスが98円の特売で売られていたが買い物かごに入れることはなかった。私はNHKアンケートの結果が一般の消費者心理としては正常だと思う。仕入れても売れないのだから流通の判断も間違ってはいない。
専門家がいくら「安全だから冷静に」と言ったところで、県外産の野菜という他に選択肢があるうちは、今あえて福島・北関東の野菜を買うことはない。冷静に判断した結果ではないか。基準値以下の放射性物質でもわざわざ取る必要はない。
この件に関して「風評被害」という言葉に違和感を感じてしまう。福島第一原発の問題はまだ続いているし、解決の見通しも立っていない。放射性物質の封じ込めも失敗している。大津波を想定外と繰り返しているメディアが「安全安心」と言ったところでそのまま受け取る人がどれだけいるのか。現状の野菜の買い控えは将来の「想定外」に備えてのことに過ぎない。

どうなったら福島北関東の野菜を買うか?

工業製品の検品のように、全ての野菜に対して一品一品放射能測定して、自然界と同じ数値のものだけを流通に流す。ここまでやって、なお売れないとなって初めて「風評被害」ではないか。
まあそんなことしなくとも中国産冷凍餃子事件を見ての通り、数ヶ月経てば消費者も最初の事件を忘れて、あるいは特定の商品を避けるのに疲れ果て買い始めることになるのだが。