自分の非を最初に認めてからでないと相手を攻撃することはできない

乙武さんのレストラン入店拒否問題。車椅子のことを事前に伝えなかったので店側で対応できずに入店できなかったとこのこと。その時のオーナーシェフの態度に乙武さんはぶちギレしてtwitterで店名を出して批判したら炎上くらったという話。


最初のツイートを読めば、乙武さんは、「レストランに入店できなかった」ことではなく、「店主の態度が(乙武さんにとって)悪すぎた」ことに怒ってるのだと分かる。しかしこの話は、乙武さんを入店させるべきだったか否かで盛り上がっている。この点、予約時に車椅子のことを説明しなかった乙武さんに非がある。それでも店主の態度に対する怒りが収まらなかった。だからtwitterで勝負をしかけた。そして勝負に負けた。


乙武さんは最初のツイートで失敗した。twitter強者の乙武さんが一方的に相手を責める。判官びいきの観客はそれをそのまま鵜呑みにしたりしない。乙武さんの非を探そうとする。そして非が見つかったとき、なんだ乙武さんに原因あるじゃん、となる。この時点で、観客の話題は、店主の態度問題から、車椅子でのレストラン入店問題にシフトして、もう乙武さんの最初の怒りと関係ないところに飛んでいる。しかし発話者の乙武さんはそこで繰り広げられる呪いのやり取りを一身に引き受けなければいけない立場となる。


どんなに建設的な意見でも「お前が言うか」で葬り去られることもある。まず自分の中のヤマシい部分を全てさらけ出してからでないと、いつまでも疑われてまともに話を聞いてもらうことはできない。今回の場合は、「事前に車椅子のことを伝えなかったことで相手に迷惑をかけたことは悪かった」ということを一番最初のツイートで丁寧に伝えた上で、「それでもあの対応は許せねぇ」とつぶやかねばならなかった。というめんどくさい世の中の話。