トルコ・エルドアン政権に安倍政権の未来を見た

 トルコの反政府デモ。安定した経済発展を実現させ10年の長期政権が続いているエルドアン政権だったが、強権的な政治手法とイスラム的な価値観の強い政策に国民が反発し、公園占拠、主要道路封鎖といった全国規模の過激デモに発展した。エルドアン首相はデモ隊にテロリストが混ざっていると主張し、これらを強制排除したが、トルコ国民の政権への怒りを募らせるばかりで全然解決していない。もはやエルドアン首相の辞任でしかデモが収まることはない。日本の報道もエルドアン首相の強権的な姿勢に否定的だ。


 日本の安倍政権。アベノミクスによって失われた20年が打破され、安定した経済成長が見込めるようになった。来る参院選も勝利が確定し長期政権が確約されている。好景気による支持率の高さを武器に憲法改正を目指し、前時代的な保守色の強い憲法に変えようとしている。自民党の価値観に合わないものは排除しようとする法案が提出されようとしている。


 今後何が起きるか。何かをキッカケに国民が一斉にデモを起こす。公園を占拠し、主要道路を封鎖して辞任を迫るデモ。排除を試みる機動隊に対し、火炎瓶と爆竹で応戦する。一向に解決する気配のないことに苛立ちを募らせた首相は「デモ隊の中に極左が混じっている」と主張し強制排除をさせる。首相の強権的な姿勢に国民は余計に怒り、デモは拡大しつづけ、もう辞任でしか収まりがつかなくなる。



 というようにはならない。自民党の価値観をめぐり反政府デモが起きる。デモ隊は公園を占拠し、道路を封鎖する。警察の許可を取っていないからと、マスコミやネットから一斉にデモが叩かれる。機動隊がデモ隊へ実力行使をする。デモ隊は火炎瓶と爆竹で応戦する。マスコミやネットから更に叩かれ、デモへの賛同者が絶たれる。デモ隊は強制排除され逮捕され厳罰が言い渡される。首相は「左翼に負けることはない!」と勝利宣言して聴衆から「ニッポン」コールが巻き起こる。そのまま2020年の東京オリンピックまで一直線。日本には輝かしい未来が待っている。