全文読んでもやっぱり失言、森元総理のフィギュア発言

森元総理が五輪代表選手について語った「失言」。今朝になって、マスコミが悪意をもって切り取ったのだ、という反論がネット上から出て来て、TBSラジオの番組HPで講演内容の書き起こし全文がアップされることとなった。


森喜朗 元総理・東京五輪組織委員会会長の発言 書き起し - 荻上チキ・Session-22
http://www.tbsradio.jp/ss954/2014/02/post-259.html

■フィギュア浅田真央選手について

今朝も真央ちゃんが最後ひっくり返った時は、4時だったと覚えておりますが。皆さんそれご覧になると、それまでずーっと真央ちゃんがまだ30番目で一番あとだったもんだから。ずーっと皆見てるわけでしょ、あれ。ショートプログラムだから、1回何分かな。3分半くらいかな。そんなもんだったと思いますけど、それ全部やって一番最後に真央ちゃん。なんとか頑張ってくれと思って皆見ておられたんだろうと思いますが、見事にひっくり返っちゃいましたね。あの子、大事なときには必ず転ぶんですよね。なんでなんだろうなと。

僕もソチ行って、開会式の翌日に団体戦がありましてね、あれはね、出なきゃよかったんですよ日本は。あれは色んな種目があって、それを団体戦で。特にペアでやるアイスダンスっていうんですかね。あれ日本にできる人はいないんですね。あのご兄弟は、アメリカに住んでおられるんだと思います確か。ハーフ。お母さんが日本人で、お父さんがアメリカ人なのかな。そのご兄弟がやっておられるから、まだオリンピックに出るだけの力量ではなかったんだということですが、日本にはいないもんですから、あの方を日本に帰化させて日本の選手団で出して、点数が全然とれなかった。

あともう皆ダメで、せめて浅田さんが出れば3回転半をすると、3回転半をする女性がいないというので、彼女が出て3回転半をすると、ひょっとすると3位になれるかもしれないという淡い気持ちでね。浅田さんを出したんですが。また見事にひっくり返っちゃいまして、結局、団体戦も惨敗を喫したという。

その傷が浅田さんに残ってたとしたら、ものすごくかわいそうな話なんですね。団体戦負けるとわかってる、団体戦に何も浅田さんを出して、恥かかせることなかったと思うんですよね。その、転んだということが心にやっぱ残ってますから、今度自分の本番のきのうの夜はですね、昨日というか今朝の明け方は、なんとしても転んじゃいかんという気持ちが強く出てたんだと思いますね。いい回転をされてましたけど、ちょっと勢いが強すぎたでしょうかね。ちょっと転んで手をついてしました。だからそういうふうにちょっと運が悪かったなと思って見ております。


この全文を読むと、報道されてるような浅田真央選手への暴言というものはないように思う。


そう、浅田真央選手への暴言は。


代わりにアイスダンスと団体に日本代表として出場したリード姉弟については報道された以上に失礼なことを言っていたことがわかった。


森氏は自国の五輪代表選手について、


・浅田選手が女子シングルSPで転んだのは団体SPに出たことが原因の一つだ。
・団体に出るためにキャシー・リードクリス・リード姉弟を日本に帰化させたが、彼らは元々五輪に出る実力がなかった。(リード姉弟は「帰化」したわけではなく、もともと日本国籍を持っている日米ハーフで、この発言部分は明らかに間違い)
・団体で負けることがわかってたのだから、日本は団体に出るべきでなかった。


こう言ってるのだ。
つまり、浅田真央選手を疲弊させるだけにしかならないから、わざわざ実力がないリード姉弟を「帰化(事実ではないが)」させてまで団体に出るべきではなかった。
森氏は、浅田選手のことを気遣ってやってるぜと気持よく話す一方で、他の選手のことを全く考えていないことが分かる。


東京五輪のトップに立つ人としてはやっぱり失言だ。


今朝のフジテレビ「とくダネ!」では森発言について浅田選手の部分しか放送しなかったが、スタジオで小倉智昭さんがリード姉弟について言及してくれていたのが良かった。


「ほんとひどい物言いですよ。リード姉弟だってちゃんと点数稼いでるんだから」
まさに正論。