新聞社サイトの「続きは有料で」が批判されているようだが、

読売新聞が今度の衆院選について「民主大物、比例重複相次ぐ」という見出しの記事をネットに掲載し、民主党に批判的な空気を作ったが、実際は自民党でも重要閣僚や大物議員たちが比例重複していて読売新聞の記事はフェアじゃないと、ネットメディアが報じた件について、はてブコメントでは新聞社サイトの有料版への批判があがっている。

・有料電子版と紙面版でしか読めない部分でアリバイ工作しているところが姑息な感じ。

・有料電子版の特性を悪用するようなやり口が、なんというか、せこい


はてなブックマーク - 読売「民主大物、比例重複相次ぐ」に見る印象操作 自民大物も軒並み重複 | GoHoo
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どういうことかというと、読売新聞は、12月3日に「民主大物、比例重複相次ぐ『覚悟ない』失望の声」という記事を紙面に掲載し、その紙面の記事の後半では自民党でも比例重複している大物議員がいることや民主党でも比例重複を辞退した有力議員がいることが書かれていた。しかし、同記事のWeb無料版では後半部分が削られており前半の民主党批判の部分しか掲載されていなかった。なので、ネット上では2chtwitterを通じて民主党が笑いものにされることになった。読売新聞のWeb会員ならば全文読むことができたが、読売新聞社は、朝日や日経と違って無料会員というのを設けていないので、読売新聞購読者以外は後半に何が書かれているか、もしくは後半があること自体が分からなかった。引用したコメントでは、そういう重要な事実を「続きは有料で」にする手法が批判されている。



読売新聞の例の記事について反論あるべきと思うが、「続きは有料で」批判は別に考えたい。売り物の新聞記事を前半部分だけでもWebで無料掲載してくれているのはありがたいことであるという気持ちは持っていたい。「続きは有料で」は何も読売新聞だけがやっていることではない。朝日も日経も地方紙も、Web版で「続きは有料(会員(購読者)限定)で」とやっている。毎日は有料記事は一行も掲載してなかったりする。


朝日新聞でも今回と同じように後半部分を限定にしたことにより誤解、風評が生まれ批判されることがたまにあるが、朝日の場合は無料会員でも一日3本は「続き」を読むことができるようになっているので、「続き」を巡ってネット上で情報が混乱したままになることは少ない。むしろ朝日の場合、吉田調書報道では、Web上に全文掲載したのに紙面では記事の主張に沿った部分しか掲載せず、その点が捏造だと批判されてしまった。


読売新聞は他紙とくらべてWeb版を全然重要視していないことが伝わってくるが、それでも別に続きが有料である事自体は批判すべきことではない。無料会員枠を作れとも言わない。それでも改善してほしいことはある。


朝日の場合は、続きがある記事には全部文字数が掲載されている。この記事の全文は何文字で、続きには残り何文字が書かれているのかが、記載されている。残りの文字数が書かれていることにより、その記事が中途半端なものであるのか、ほぼ内容が出尽くされているものなのか、だいたい類推することができる。読売の最初の記事でも(文字数残り183/542)と書かれていたならば、「ああ、あと1/3も記事が残ってるんだな。何か裏があるかもな」と推測して前半内容を鵜呑みにせず保留することもしやすいのだ。これを読売のWeb版でも取り入れてほしい。