「アンチ・ホームレス・スパイク」の正式名称が知りたい

東京の道路の島状になっている交通分離帯が、ある日、木々の植え込みからコンクリブロックが棘状に突き出すものに変わった。
これが、「ホームレス排除対策」だとして人権的観点から批判の声が上がった。
一方で、道路を管理する役所では、植え込みを撤去したことを「ゴミのポイ捨て対策」と説明し、棘状のブロックもホームレス排除の意図はないと話した。
しかし、市民から「棘状のブロックは景観が悪い」「事故の時、危険では」などとクレームが入ったことにより、最近になって棘状のブロックは排除された。
インターネットでは、「ホームレス排除対策」と批判していた人たちについて「本当は『ゴミ対策』だったのに確認しないで『ホームレス対策』とデマを流した」として批判する声が上がっている。

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けれども、ゴミ対策は植え込みを撤去したことにあり、棘状のブロックを配置した理由にはなっていない。棘状のブロックはあくまで、植え込みの代わりに人を排除するためのオブジェである。
このようなオブジェは海外では、店の軒先や道路の高架下などに取り付けられ、「アンチ・ホームレス・スパイク」とも呼ばれている。
こうした、意図した目的外の迷惑な利用方法を防ぐ対策が施された建築物は「敵対的建築」や「守備的な建築」と呼ばれ一部で批判されている。

Hostile architecture - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Hostile_architecture

ベンチを占拠して横になって眠る人の対策に、中央に肘掛けをとりつけたベンチなども、これに含まれる。
これらは「スパイク」のように攻撃的なデザインもあるため、市民に違和感を起こさせ、迷惑行為対策と分かっていても、批判の対象となっている。現に、東京の道路の「スパイク」は撤去された。攻撃的なデザインは、まだ迷惑をかけていない者にも「ここに近づくなよ」と牽制をかけ、ビビらせてしまうのだ。
 
今回のものは、「アンチ・ホームレス・スパイク」などと呼ばれているために、ホームレス限定対策かのように考えてしまうが、排除するのは「迷惑行為をする者」であり、別にホームレスでなくとも、たむろする若者でも、酔っぱらいでもいい。植え込みを撤去し、更地にしたから、代わりに人が入れないような対策を施すために設置したまでだろう。で、結局評判が悪かったから撤去した。
 
こうした一連の動きを見て疑問なのは、あのオブジェの正式な名前が何なのか、ということだ。役所や建設会社は、何と呼んで注文したり、受注したりしていたのか。
 
自分は、「海外でこんなホームレス対策がされているぜ〜」というニュースを読んでから、その存在を認識したので「アンチ・ホームレス・スパイク」という呼び方しか知らない。海外で話題になる前から、人避けオブジェとして一般的なものかもしれないし、そうでないかもしれない。しかし、何かしら名前がついていたり呼び名があるはずだ。石を飛び出させ歩きにくいようにして人を近づけないようにする対策工事の名前が。気になる。