いじめはどこにでもあるけど大津の事件はいじめじゃありません

なんでもいじめ脳 - novtan別館
http://d.hatena.ne.jp/NOV1975/20120715/p1


上の記事について

日本の政治の中心たる国会だっていじめだぜ!多数決はいじめ!民主主義はいじめ!

例えばウェブでなにかアホなことを言った人をみんなで叩くのはいじめか。いじめをしていた人にみんなで仕返しをするのはいじめか。


はっきり言います。全部いじめです!



正確には、全部いじめと判断される可能性が大きいでしょう!
いじめとは、第三者が決めるものでも加害者が決めるものでもなく被害者が決めるものです。
文科省が定義しているいじめとは「被害者が心理的・物理的攻撃を受けたことにより精神的な苦痛を感じているもの」です。
今テレビに引っ張りだこの教育評論家の尾木直樹先生が口を酸っぱくして仰ってるように、被害者がいじめと感じた場合、全ていじめに当てはまります。



「アホなこと言ってるから」「仕返しだから」といくら言い訳しても、被害者がいじめと感じればいじめになります。
大津の事件を受けてネットで「私も昔いじめられてて・・・」という話が溢れかえるのもこのためとも言えます。
人をいじめている意識がなくても、行為の対象者がいじめと感じれば全部いじめとなるんです。
「私も昔いじめられてて・・・」と言う人の中には、誰かにいじめ加害者として恨まれている場合もあるでしょう。



それでもなお「いやアイツの発言がアホだから」と抗弁するかもしれません。
「それくらいで『いじめ加害者』認定されるなんて!」「大津の事件の加害者と一緒にするな!」とお怒りかもしれません。



大津の事件はいじめではありません。もう何人も指摘しているように、報道されていることが事実なら「犯罪」として処理されなければいけないことです。
殴れば「暴行」、怪我させれば「傷害」、脅せば「脅迫」、金品を奪い取れば「強要」「恐喝」「窃盗」「強盗」、全部犯罪行為になります。
その他の迷惑行為も「軽犯罪法違反」「迷惑防止条例違反」でだいたいしょっ引くことが可能でしょう。司法がその気になれば。
加害者は「いじめっ子」ではなく少年犯罪者です。夜回り先生が仰ってるように、さっさと逮捕して家庭裁判所で適切な判決を受けて更生の道を歩ませるべきです。
被害者は「いじめられっ子」ではありません。犯罪被害者です。



文科省が今回問題になっていることを受けてやらなければいけないたった一つのことは、学校に法律の専門家を置くことです。
学校や生徒間で行われている「いじめ」「からかい」「じゃれ合い」等と呼ばれることに対して、法に反する犯罪行為だと断定できる専門家が必要です。
専門家は警察や家庭裁判所と適切に連携できるような司法資格を持っている方がいいでしょう。



法の専門家には生徒の意識を変える役割もあります。
殴られたり物を壊されたり金を取られたり無理やり付きまとわれてる被害者は「いじめられっ子」という弱っちい存在ではありません。
違法行為に晒されている「犯罪被害者」です。相手は犯罪を行なっているのだから、強い弱い関係なく苦しめられて当然です。



殴られたり物を壊されたり金を取られたり無理やり付きまとわれたりしたら即座に学校の法の専門家先生に相談すればいいんです。
その場合、弱いから人を頼るのではありません。犯罪行為の被害にあってるから、司法を頼るのです。
そこにプライドなんて関係ありません。相手は法律を物ともせずに攻撃してくるんですから強さなんて関係ありません。
「いじめられた」と認めたくないから被害を報告しない、なんてことは犯罪行為には当てはまらないのです。




いじめは至る所にあります。Twitterでフォロー解除されただけで傷ついて「いじめられた」と感じる人もいるでしょう。
フォロー解除したほうは「あいつがアホなこと言ってるから」という正当な理由があったとしても、被害者がいじめと感じればいじめです。
テレビ解説者の木村太郎さんも仰ってましたが、いじめは常に被害者側の立場に立って解決を探らなければいけません。



「どんな理由でいじめられたか」よりも「どんな理由でいじめと感じたか」のほうが重要です。
場合によっては、そこに「いじめられっ子」の人格の歪みや問題が浮かび上がるかもしれません。
それはそれで学校で注意深く見守り、「いじめられっ子」の周辺の問題解決に図っていかねばなりません。



人間に好き嫌い、快不快がある限りいじめはなくなりませんが、学校内の犯罪行為は無くすことが可能です。



なんてことを大津いじめ自殺報道を見てて思った。